#12 遊戯
戦艦ノースカロライナに、到着する。
「それではヤブミ卿、また帝都でお会いしましょうぞ!」
そう言って手を振り、地球042から来た政府高官に連れられて、このノースカロライナの街に向かうネレーロ皇子とラヴェナーレ卿、そして3人の侍女達。
そして今、僕はレティシアとカテリーナと共に、第一艦橋の通路にいる。
「あーあ、あいつらも連れていってやりたかったな」
「おい、まさか皇子と貴族を連れて、街に行きたかったと言うんじゃ……」
「んなわけねえだろ。あの侍女達だよ、ロレーナとロレッタ、それとレーナ。あいつらもあの店に行きてえって言ってたからさ」
「そうなのか? でも、あの星の人々に味噌カツなんて、合うのかなぁ」
「さあな、でもまあ、これからそれを証明することになるぜ」
と言ってレティシアは、カテリーナを見る。
僕が会議に出ていた3時間のうちに、カテリーナは一度街に連れて行かれ、レティシアとグエン准尉によって弄られていた。
にしても、相当いじられたものだ。見る影もない。ついさっきまで殺風景な軍服姿で、どちらかというと控えめな風貌の彼女は今、なんだか少女趣味が爆発したピンク色中心の、凄まじい格好をしている。あまりの変わりように、本人すらも戸惑っているようで、目線に落ち着きがない。頭には大きなリボンまでつけられており、これが闘技場を騒がせた弓の名手、いや、今や地球001の艦隊総司令部が騒然とするほどの脅威の命中率を叩き出した砲撃手だとは、とても思えない。
「な、可愛くなっただろう?」
「あ、ああ……可愛いかと言われれば、そうかもしれないが……」
「だろ? それじゃあ、早速行こうぜ!」
そしていつものあの第3階層にある店へと向かう。少し顔を真っ赤にして、訴えるような目で僕を見つめる、その不思議な砲撃手を引き連れて。
その途上、僕はさっきまで行われていた、コールリッジ大将への報告会を振り返る。
◇◇◇
「……これは、本当なのかね?」
第1艦隊総司令部付き幕僚長が、僕に問いかける。
「間違いなく、事実です。他の艦の戦闘記録や、乗員に証言を求めていただいても構いません。これは実際に起こった現実なのです」
距離30万キロからの撃ち合いで、今回のような40分程度の戦闘での撃沈率は、せいぜい0.4パーセント、300隻同士の戦闘なら、1隻か2隻を沈められればせいぜいというのが常識だ。
我々はアウトレンジ攻撃が可能だが、その分を入れても1パーセントにも届かない。ところが彼女の通常砲撃での戦果だけで20隻。これにあの特殊砲撃の53隻が加わり、我が駆逐艦0001号艦だけで70隻以上も沈めたことになる。
「特殊砲撃はともかく、通常砲撃で20隻、しかも相手の射程内で挙げた戦果ばかりだというではないか。命中率は98パーセント、撃沈率は20パーセント。未だかつて、聞いたことのない数字だぞ」
総司令部に集まった諸将らがざわめく。あまりに非常識な戦果報告に、解釈が追いついていない。
「だが、事実なのだろう。0001号艦、および他の艦に残された戦闘記録を見る限り、これは事実と考えるしかない」
騒然とする幕僚会議の面々の前でこう言い放ち、その場を鎮めるのは、艦隊総司令官であるコールリッジ大将だ。
「にしてもだ、面白い人物だな。相手の殺気を感じて、狙い撃ちする。だから、シミュレーターでは能力を測れない。発揮できるのは、殺意を剥き出しにする相手がいる実戦本番のみだと」
「はっ、その通りです、大将閣下」
「そんな人物、よくその闘技場で見抜いたものだな。しかも直感だけを頼りに、自艦に連れ込むなど」
「恐れ入ります」
「いや、貴官も大したものだが、貴官の妻もよくそれを許したものだと思ったのでな」
うーん、それって僕が、まるで艦内にカテリーナを別の目的で連れ込んだかのような物言いだな。そんなつもりは、僕には全くないのだが。もっとも、大将閣下も半分、からかい気味に話しているようだ。
「それはともかくだ。その話を聞くと、やはり特殊砲撃の件が口惜しいな」
「はっ、ですが砲撃の仕組み上、こればかりは、どうしようもなく」
「いや、そうでもないぞ。それはつまり、砲撃手の砲座にも、操艦レバーをつければ良いのではないか?」
「は?」
あまりにもストレートな解決策を提示する総司令官殿。僕は思わず反論する。
「いえあれは、これまでの戦闘から別々になった経緯があり、それを一緒にするなど……」
「例えばの話だ。それくらいの発想で工夫せねば、特殊砲撃時にカテリーナ二等兵の能力を活かす方法など得られないだろう」
「は、はぁ……」
「いずれにせよ、通常砲撃ならば今でも成果を発揮するのだ。次の定期報告も期待しておこう」
この大将閣下の一言を最後に、報告会は解散となった。
◇◇◇
「あの……」
「なんだ、カテリーナ」
「これから、どこ、行くのです?」
「ああ、味噌カツ屋だよ」
「味噌カツ……?」
「食ってみりゃあ分かる。おめえなら絶対にハマるぜ。間違いねえ」
そんなこと易々と言っていいのか、レティシアよ。だが納豆すら受け入れたくらいだから、味噌カツも……いや、納豆と味噌カツでは、あまりに違いすぎるだろう。そんな理屈が通るなら、ミトの地で味噌カツが広まっていないとおかしい。この2つは、まったくの別物。しかもあんなくどい食べ物、こんな華奢なカテリーナが受け入れられるのだろうか?
そんな不安を抱えたまま、「とんかつ」と大きく書かれたあの店の前にたどり着く。入り口から入ると、あの店主がいる。
「いらっしゃい! お、大将じゃねえか! なんだ、もう帰ってきたのか!?」
「いや、帰ってきたわけじゃなくて、大将閣下に呼ばれてここにきたので、ついでに寄ってみただけだ」
「なんでぇ、大将が大将によびだされたのかい。ややこしいなぁ」
ややこしいのは、あんたが僕のことを大将などとあだ名するからだ。せめて准将と呼んでくれれば、そのややこしさは多少なりとも解消する。
「で、なんでぇ、そちらのお嬢さんは?」
「ああ、赴任先の地球1010出身の者で、今は我が艦の砲撃手をやっているカテリーナだ」
「へえ、大したものだな。いきなり新鋭艦の砲撃手かい。にしちゃあちょっと、派手過ぎじゃねえか? 地球1010って星は、こういう服が流行りの星なのか?」
いや、これはグエン准尉とレティシアのコーディネートの結果だ。彼女の星は、基本的にテーブルクロス巻きだ。身分によって、真っ白だったり、ちょっとベージュがかっていたり、あるいは被り物の有無があるくらいだ。こんな馬鹿でかいリボンなど、するはずがない。
「まあいいや、じゃあ大将、いつものを3つでいいかい?」
「ああ、そうだな。それと『鬼殺し』を一つ」
「へいよ!」
今日は安い酒をセットにする。さっきの会議の雰囲気だと、またすぐにここに来ることができそうだ。奥の座敷に入り、そこで座って料理を待つ。
「こ、この店、なんという、店?」
「ああ、ここはとんかつってものを食わせてくれる店だ」
「とんかつ……」
「んで、そいつに甘辛の味噌をかけたものが、味噌カツだ」
と言っても、理解できるはずもない。百聞は一見に如かず、見て食べた方が早い。
「お待ちぃ!」
すぐに、その味噌カツの定食が3つ、運ばれてくる。大判のカツがカットされて、千切りのキャベツの上にドンと置かれて、その上から味噌がかかっている。横に添えられているのは、真っ白なご飯とたくあん、そしてほうじ茶。その料理を前に、カテリーナの目の色が変わる。
「さすがに、カテリーナに箸はまだ、無理だなぁ」
といって、レティシアはフォークを渡す。それを手に取り、恐る恐るそのカツを突き刺し、口に運ぶカテリーナ。
「う……」
あれ、カテリーナから変な声が出たぞ?まさか予想に反して、口に合わなかったというのか?
いや、そんなことはない。顔は正直だ。
「美味い……」
頬を押さえながら、モグモグと口を動かすカテリーナ。その表情からは、よほど美味しかったようだと分かる。そんな彼女を見ながら、僕も一つ、口に運ぶ。
カリカリとした衣、肉汁が詰まった柔らかい肉、そして甘辛い味噌が口の中に広がる。おそらくカテリーナの口の中にも、同じようにこの旨味が広がっているところだろう。
そういえばこの戦艦ノースカロライナに移乗する際、グエン准尉が言っていたな。あの戦闘が終わって、急にカテリーナに話しかける士官が増えた、と。
よく見れば彼女は、つい庇いたくなるような、そんな雰囲気がある。小柄で、大人しい性格からだろうか?物静かで、よく見れば可愛い彼女は、特に独身の多い我が艦の男性士官からは注目の的となりつつあるようだ。
だが、そのきっかけが、あの驚異的な戦闘結果だからなぁ……今の彼女からは、想像がつかない。見た目と戦闘力に、ギャップがあり過ぎる。今、僕の目の前で、味噌のかかったカツを一つ口に含んでは、それを噛み締めるように味わいながら、頬を撫でてにやけるそんな彼女が、まさか昨日の戦闘の通常砲撃だけで20隻を沈める戦果を挙げたなどと言ったら、誰が信じるだろうか?
ともかく、納豆ご飯好きな砲撃手は、味噌カツもいけることが分かった。ここの常連の一人になることは間違いない。
「さてと、どこ行こうか」
このままホテルに戻ってもいいが、僕はまだ街に出たばかりで物足りない。そこで、レティシアとカテリーナを連れて、当て所なく歩き始める。
ここは賑やかな街だ。人口は2万を超える。そこに補給作業中の駆逐艦の乗員が訪れ、さらなる賑わいを見せる。
「ここが、俺がいつも服を買う店だ」
その途中、いつもレティシアがお気に入りの服を買っている店の前を通る。
この店は、どういうわけか中世風の衣装ばかりを取り扱う店だ。いや、その店が存在する理由は、一応あるにはある。
というのも、新たに発見される未知惑星の多くが、我が地球001でいうところの中世代、西暦500年から1500年頃の文化レベルに近いところが多い。このため、その文化レベルに合わせた衣装が必要となることがあり、それを供給するための店がここだ。
レティシアは魔女だ。そして魔女といえば、中世のイメージが強い。だからといって、わざわざそんな衣装を纏う必要などないのだが、そこがレティシアのこだわりというやつだ。
その店の中をジーッと見つめていたカテリーナは、レティシアに言う。
「あれ……」
どうやら、気に入った服があるようだ。それを指差すカテリーナ。
「おう、あれか。でもありゃあちょっと、暗いイメージがあるな」
「でも、あれが、いい」
「分かった分かった。服選びも、自由の一つだ。じゃあ、あれを買っていくか。」
ということで、3人で店に入る。
「いらっしゃい……なんだ、レティシアさんかい」
「なんだじゃねえよ。また来てやったぜ」
「まったく、地球001の出身者で常連なんて、あんたくらい……おや、この娘は?」
女性店主の目に、カテリーナが入る。レティシアが応える。
「ああ、こいつはこの先にある地球1010出身のやつで、カテリーナっていうんだ」
「へぇ、にしちゃあ、随分と破廉恥な格好してるねぇ。でも地球1010は、古代ローマ風のトーガって服が多いって聞いたけど。」
「トーガ? なんだそりゃ?」
「白い布のようなものを巻いたような衣装のことだよ」
ああ、あれはトーガっていうのか。テーブルクロスじゃないんだ。さすがは古風な衣装全般を扱う店の店主だけのことはある。よくご存知だ。
「だけど、こいつが欲しがったのはあの服なんだがな」
「へぇ、わざわざこの店の服をねぇ……って、あれがいいのかい?」
「らしいぜ。なんだか薄暗い印象で、俺はどうかなって思うんだが」
「いや、そうでもないよ。むしろ、よく似合うんじゃないのかね。じゃあちょっと、着せてみようか」
そう言われ、店主に連れられて奥の試着室へと向かうカテリーナ。しばらくすると、先ほどまでのあの派手なピンク基調の衣装から一変し、まるで中世から舞い降りた魔術師のような姿に変わる。
茶色で、ツバの大きな尖った帽子、背中には黒いマント、その内側には赤いワンピースに茶色の幅広い腰ベルト。先ほどのあの服よりも、こちらの方がまだ荘厳な印象がある。
「やっぱりちょっと暗いなぁ……だけどよ、妙に威厳があるな」
「そりゃそうだよ。さっきまでのあのピンク色じゃあ、かえって幼く見えちまう。こっちの方が少し、大人っぽい魅力を出してくれるんだよ」
言われてみれば、こっちの方が少し大人びた印象に変わる。カテリーナもこの服を、すっかり気に入ってしまったようだ。
ということで、この服はその場でお買い上げ。そのままこの服で歩くことになった。
で、その店を出てしばらく歩くと、レティシアが、何かを見つける。
「おや? なんだあそこ。妙に賑やかなところがあるぜ」
ふと見ると、人混みが見える。そこは建物ではなく広場だが、そのすぐ外に人だかりができている。
「変だな……広場なのに、人が外にいるなんて」
そう思いながら、僕は中を覗き込む。そこはちょうどグラウンドのようなところで、中に何箇所かバリゲートが築かれており、その内側に何人かが隠れている。手には、銃のようなものを持っている。その上にはスコアボードのようなものが見える。
この妙な光景を見ていると、バリゲートの裏にしばらく隠れたままだった両者だが、一人が飛び出し、走り始める。
それを向かい側の男が一人、銃で狙う。そして引き金を引く。
まるでスポンジのような弾が飛び出し、外に出てきた人物に当たる。ビーッとブザーの音が鳴り響き、スコアボードには点数が表示される。
ああ、分かった。これは一種の模擬戦闘、サバイバルゲームだ。真ん中に境界線があって、そこを境に2つの陣営に分かれ、それぞれの陣営には5人づついる。互いの陣地の奥には旗が立っていて、あの旗を奪われるか、全員撃たれるかのいずれかでゲームセットとなる。そういうルールのようだ。
おそらくは、ここに駐在する陸戦隊員の憂さ晴らしのためのイベントだろう。彼らの活躍の場など、この宇宙ではほとんどない。だからこういうイベントでも開いて、無理矢理活躍の場を作るしかない。
その様子をしばらく見ていたカテリーナ。一進一退で、ついに一方の陣地が、もう一方の全員を狙撃した。これでゲームセット。負けた方が悔しがり、勝った方は歓喜している。
「あれ、やりたい!」
と、突然、カテリーナが妙なことを言い出す。
「おい、カテリーナ、ありゃあお前みたいなのがやるようなゲームじゃ……」
「大丈夫。私、あれ、やってみたい」
随分とやる気満々だな。もしかして、元女闘士としての血が騒ぎ始めたのか?
ということで、カテリーナを一方の陣営に加えてもらうことになった。相手は先ほど、勝利を収めた5人組。こちらはといえば、なんとなく集まった赤の他人同士の烏合の衆。
その中で、一人だけ魔術師のような格好をしている。頭には大きな帽子。マントもついている。およそサバゲーをやるような格好ではない。
「あの、お嬢さん、そんな格好では……」
「大丈夫、問題、ない」
こちらの陣営は、この妙な格好の娘が一人加わったおかげで、戦意喪失中だ。すでに4人だけで戦う相談を始めている。一方の相手側は顔見知り同士。さっきのゲームを見る限りでは、チームワークも良く、おそらくはどこかの部隊ではないのか?先ほどの勝利の余勢を駆って、士気も高い。
そしてついにゲームが始まる。両陣営ともに、バリゲートに隠れてスタート……かと思いきや、まったく身を隠すことなく、堂々と立ち尽くす人物が一人。目立つとんがり帽子、マント姿、小柄ながらも標的としては十分な大きさのカテリーナだ。
一瞬、罠の存在を警戒して手を出さない相手陣営だが、痺れを切らし、ついに一人が飛び出す。そして、銃を構える。
が、引き金を引くのが遅すぎた。
カテリーナはその銃口を、飛び出してきた人物に向けている。相手が狙いを定める間もなく引き金を引き、一撃で仕留める。
忘れていた。こいつは殺気のようなものを感じて、それを狙撃することに関しては、天才的な戦士だ。しかもカテリーナはあの闘技場で、命のやりとりを何度も繰り返している、いわば戦闘のプロだ。ここにいる連中以上に、実戦慣れしている。
一瞬で、こいつをやばいと見たのだろう。相手方からは、2人が同時に飛び出す。すぐさま銃口を向けるが、カテリーナは見逃さない。その場を微動だにせず、飛び出した2人をほぼ同時に狙撃する。ビーッという音と共に、スコアボードの点数に変えられる。
ただのお遊びだというのに、まるで戦場のような妙に重苦しい空気がこの広場一帯に漂う。とんでもない戦闘が始まったと皆、固唾を飲んで見守る。魔術師のような姿の、小柄で褐色の身体の黒髪の娘は、さっきから一撃も受けていない。
「ウォーッ!」
と、勢いよく一人が飛び出した。一つ前のバリゲートまで走り抜き、形勢を逆転しよう……と思ったのが、運の尽きだった。顔は正面のまま、銃を左に向けてそれを撃つ。走り抜ける相手の右肩に、弾が正確に当たる。
そういえば、さっきから右肩ばかりに当たっている。闘士時代の癖がまだ残っているようだな。残り一人というところで突然、カテリーナは歩き出す。
スタスタとゆっくり、バリゲートの間を堂々と歩く。しかし、残り一人はなかなか出てこない。シーンと静まり返ったサバゲー場。やがて、その静寂は打ち破られる。
覚悟を決めた最後の一人が、バリゲートの下から顔を出してカテリーナに銃を向ける。だが、カテリーナが見逃すはずがない。銃口の先は既に、その男に向いており、引き金が引かれていた。ビーッという最後のブザー音が、鳴り響く。
たった一人で、しかも相手に1発も撃たせる間もなく、全滅に追い込んでしまった。倒された相手も、まったく手出しできなかった同じ陣営の4人も、予想外の結果に唖然とする。勝利したカテリーナは、そのとんがり帽子を脱ぎ、それを胸のあたりに当てて、観客の方を向いて深々と礼をする。
パラパラと、そして次第に大きな拍手に変わる。外観からは予想もできない、想定外の戦いを行ったこの小柄な娘に、惜しみない拍手が贈られる。頭を上げ、帽子を被り直したカテリーナの顔には、笑みが浮かんでいた。
こうして、戦艦ノースカロライナの街に、伝説が生まれる。
全方位に見える目を持ち、陸戦経験もある5人の男を相手に、一発も撃たせず勝利した、鬼神のごとき小柄の娘。
だが、彼女がゲームではなく実戦でも「伝説」の存在となり、勇名を馳せるようになるのは、もう少し先のことである。