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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

嘘の可能性は無限大、真実の可能性は無限分の1

作者: 嘘の可能性は無限大、真実の可能性は無限分の1
掲載日:2020/12/17

夢の中で見たある男の話しです



人は嘘をつく。騙すため、何かを守るため、見栄えのため理由はあり過ぎて結局のところどれがほんとうかわからない。だけど真実はいつも一つ。起きた出来事は決して変わらない。

私は人を殺した。未成年ということで刑罰や個人情報も守られた。だけど人を殺した時の血の暖か、叫び、パトカーの音、被害者の怒りと泣き声、どれも消えてはくれない。

今、私は20歳になった。お酒を飲み、友人と笑い合う。大学で勉強しているし、ミュージカル部に入ったことで日々歌やダンスを頑張っている。ほんとうに充実した生活だ。

世間は私のことを覚えていない。友人たちも私の過去を知らない。道端に通りかかる人も、テレビで偉そうに話している人も知らない。私はもうただの人だ。

私は嘘をつく。綺麗だね、大丈夫だよ、あなたが一番好き、どれも自分の言葉ではない。けど相手は嬉しそうな表情をする。なんて人はバカなのだろう。

空は見ている。空には目があっていつも私達の行いを見て、悪いことをしたら天罰がくる。そう母から教えられた。いつも母は人のためにつくし、そして僕を残し死んだ。

人なんてバカらしい。嘘の言葉で喜ぶのも、良い行いをして無理して死ぬのも、必死に自分の過去を隠して生きるのも。くだらない。生きるのなんてバカらしい。

25歳になり子供ができた。彼女は生みたいという。僕は反対した。けど彼女の意思は固く、そのまま子供が生まれた。私は自分の過去を伝えていない。

子供を見た。涙が溢れて、彼女と一緒にそっと抱きしめた。私は彼女にありがとうとなぜか言っていた。心の中では殺人鬼の子供だと思いながら。

人殺しの過去がバレた。親父が、昔俺が殺したやつの親に殺されたのだ。悲しみはなかった。ニュースのコメント欄では奪われたもの正当な権利だとあった。

子供と別れた。ニュースで全てが明るみになり、彼女は実家に戻ったらしい。世間では、私を殺すべきだという声や何にもすべきではないという声がたくさん溢れていた。何にも知らなかったくせに。

仕事、友達、彼女、家族、お金全てなくなった。私はこの出来事を書き記し死のうと思う。椅子を蹴り、首を吊った。しかし死ねなかった。彼女が戻ってきて私を救ったのだ。

結婚した。私は彼女の名字を頂き、顔を変え別人になった。ニュースには私のことも父のことも報道されなくなった。私はウェブライターとして子供の世話をしながら働いている。

子供が20歳になった。私は子供に全てを話した。子供は知ってると言って、それまで私のせいでイジメられたこと、就職ができずいたことを話した。

子供は私にずっと嘘をついていた。私が苦しまないように。

妻も嘘をついていた。仕事が順調といいながら周りの差別を受けていたらしい。私はずっと守られていた。

嘘の可能性は無限大だ。嘘をつけば誰か傷つけることも傷つくこともなくて済む。差別も受けなくて済むし嘘をつけば収まることはよくある。嘘をついて生きていれば何も向き合わずに済むのだ。

真実の可能性は無限分の1。本当のことはいつだってわからない。彼女が僕を好きな理由も、子供が私を守る理由も全て嘘で私を殺したいと憎んているかもしれない。

真実は私が人殺し、彼女が私を助け、彼女と子供が傷つき、私は何も向き合わずにいたことだと思う。嘘はそれ以下全部。嘘の世界の方が幸せでいられただろうに。


3人称と1人称があやふやになっています。

できる限り夢の中で見たこと思ったことを書きました。

感想や考察あればよろしくお願いします。

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