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おーい、湊。合コンいこーぜ


 「おーい、湊。合コンいこーぜ」


 解せぬ。

 俺はどこかの坊主頭の小学生じゃないんだぞ?

 おーい、野球やろうぜみたいに軽く言うなよ…。

 というか、お前はいつから中島になった!?


 「行かねーの?」


 「いや…、行くけど」


 お前の誘い方にビックリしてるんだよ…。

 さすがの俺もツッコミきれんかったわ。

 

 「で、いつだよ?」


 「今日」


 「はぁ!?」


 「18時から」


 突然すぎるだろっ!?

 俺だっていつも暇なわけじゃないからなっ!?


 「友樹が湊?どうせ暇だろ?って言ってたぞ」


 「友樹いいいいいいいいい!!!」


 友樹…俺を売ったのか!?

 お前との友達協定は破棄させてもらうっ!

 明日からは敵国として戦争しかけてやるよ!

 同じ学部だっていっても容赦しねーぞ!


 「18時に駅前のカラオケな」


 「おけ」











 「合…コン…?」


 指定された店に行くと、合コンとは思えない。

 部屋にいるのが男しかいない。

 岳人、友樹、ガッキー、丸、玲央…。

 

 「いつから合同コンパだと錯覚していた?」


 「なん…だと…!?」


 岳人がしてやったという顔で俺に種明かしをする。

 合コン=合同コンパだと思っていたが、まさかの合唱コンクールだった。

 コンクールじゃないけど…。


 「やっぱり湊は騙されてるわ」


 「友樹テメェ…っ!」


 「騙されるお前が悪い」


 あー、怒った。

 戦争ですわ。

 血で血を洗う戦争ですわ。


 「(たま)とったらぁ…!」


 「いけ!ガッキー!」


 「おう」


 「人型汎用決戦兵器はダメ!」


 ガッキーはダメ!

 190近いガッキーと戦ったら勝ち目ないわ!

 白兵戦に兵器を出してくるのは条約違反だと思う。

 はーい、降参するから。






 「あー、久しぶりにカラオケはいいわ」


 「相変わらず岳人上手いよな」


 「歌も上手いイケメンとか死ねばいい」


 岳人は歌も上手い。

 神様岳人の人生イージーモードにしすぎでは?

 というか玲央、お前も上手いだろうが…。

 このイケメンたち嫌だー!



 「…やめてください」


 「いいじゃんよー」


 「ん?」


 俺たちが歩いていると、女性と男性の声が聞こえた。

 会話からすると揉めてる?


 「これは…」

 「女…?」

 「助ける…」

 「男…」

 「狩る!」

 「ヒャッハー!」


 酒の酔ったバカ6人は現場に急行する。

 テンション上がりまくった大学生にできねぇことはない!


 「やめてください…」


 「少しだけだからさー」


 「待ていっ!!!」


 「「「!!?」」」


 女性が男二人に絡まれている。

 

 「女性に乱暴を働くことは許さん!」


 「あ?」


 行くぞお前ら!


 「赤うぇーい!」

 「青うぇーい!」

 「黄うぇーい!」

 「緑うぇーい!」

 「緑うぇーい!」

 「桃うぇーい!」


 「「「「「「6人揃って6レンウェイ!」」」」」」


 「「「…」」」


 悪漢も固まっている。

 ふふ、成功だ。

 ん…ちょっと待て。


 「友樹何で緑なんだよ」


 「丸こそ緑被ってるやん」


 「湊の桃って何だよ。そこは黒だろ」


 「いや、岳人は赤イメージだったし、玲央だって青イメージだったから」


 「黄色はガッキーだけどさ」


 「おかしない?」


 「「「「「「ちょっともう一回やらせてもらっていいですか」」」」」」


 「「帰れ」」


 もうワンテイクだけでいいんです!

 もう一回だけチャンスを!


 「しらけたわ」

 「帰るか」


 「ちょっと!もう一回だけ!ワンテイクだけ!」


 女性に絡んでいた男二人は夜の闇へと消えていった。

 ノリ悪いぜ。

 もう一回付き合ってくれてもいいのによ。


 「大丈夫ですか?」


 「あ…、ありがとうございます」


 岳人汚ねぇ!

 さっそく助けた女性に声かけてやがる。

 これだからイケメンは困る。


 「いえいえ、女性が困っていたら助けるのが男ですので」


 「点数稼ぎ乙」

 「仕事人だな」

 「岳人イケメンやわ」

 「惚れるな」

 「ああ、掘られてもいい」


 「「「「それはちょっと」」」」


 玲央もイケメンなんだけど、オタク入ってるし、彼女一筋だからなぁ。

 純愛系イケメンオタクってのも新しいよな。


 「帰れますか?」


 「はい、大丈夫です…」


 「帰るのでしたら大通りで帰るのがいいですよ」


 「はい…」


 さすがイケメン!

 アフターフォローも完璧だな!

 俺へのフォローもそれくらいあっていいんじゃないかね?


 「あの…ありがとうございました」


 女性が三度お礼を言って去っていった。

 いやー、良いことすると気持ちいいわ。

 もう一軒いこーぜ!


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