『少しだけ猟奇的な俺の彼女』
「今日は、DVDの日にしよう!」
そう言って、握りこぶしを作って気合を入れた彼女の気持を
俺は全然解っていなかった。
唇を離すと、彼女が小さく吐息を漏らした。
小さな舌が唇を舐めるのを見て、また煽られる。
指を絡めて、さっきよりも強く激しく・・・ゆっくりと唇を奪う。
「待って・・・」
彼女がそう言って、俺の胸に手を当てて押しやってきた。
俺は構わず、その手を掴むと自分のジーンズに押し当てる。
逃げる顔を引き寄せ、また口付ける。
「ん、んん、ちょっと、待って・・・」
「なに?」
そう聞きつつも彼女のシャツのボタンを外す。
「ま、待ってってば!」
思い切り両手で押しのけられる。
「ん?家族なら夜まで帰ってこないよ?」
乱れた前髪をかきあげながら、彼女が俺の家族が帰ってくるのを気にしているのかと考える。
「違うってば」
「居間が嫌なら、俺の部屋行く?」
はだけた胸元から覗く、綺麗なグリーンの下着に目を奪われながら
彼女が居間でするのが落ち着かないのかと考える。
「違うってば、聞いてよ!」
パチン!
「イテッ」
太ももを叩かれた。
「聞いてるよ」
そう言って彼女のくしゃくしゃになった髪の毛を、手を伸ばして整えた。
改めて彼女の顔を見ると、ばら色に上気した頬に
潤んで揺れている瞳、開かれた唇から覗く白い歯と、赤い舌。
俺はまた、吸い寄せられるように頬を撫でると
首筋にキスをして、耳たぶを噛んだ。
思わず、と言った感じで彼女が漏らす甘い声に、ふっと笑ってしまう。
バチン!
「イテッ!」
太ももを叩かれた。
「聞いてってば!」
彼女が泣き出す。ヤヴァイ。
「ふざけすぎました。ごめんなさい」
そう謝って頭を下げた。
「あたし、逢う度にこうなるの嫌なの」
「え、だって「もっともっと」とか「止めないで」とか」
危くまた叩かれそうになって、その手を掴んだ。
「へっへ~、もう叩かれません」
そう言って顔を近づけて笑うと、頭突きを食らった。
「・・・ッテェ!」
額を押さえて浮かんだ涙を瞬きで飛ばす。
「祥吾!ちゃんと聞いてよ!」
「はい、聞きます。すいません」
「逢う度こう言うことして、あたしそればっかりになっちゃうの嫌なの」
「なんで?」
「なんでって・・・・」
「気持ち良くない?」
「そ、そうじゃないけど・・・」
「だよね、この間は失神しちゃったしね・・・ってタンマ!ぶたないで!」
真っ赤な顔して拳を握る彼女に「待って」のポーズ。
「なんでそう言う事言うのよ、ばがああ」
本格的に泣き出す彼女。
俺は両手で彼女の顔を包むと、俺の方に向かせた。
「楓ちゃん、俺ね、女が抱きたいんじゃないんだよ。
楓ちゃんが抱きたいの。
楓ちゃんだから、抱きたいんだよ」
「祥吾・・・・」
大きな目から涙をこぼして、俺の胸に顔をうずめた。
小さく震える肩を抱きしめ、髪の毛をなでなでと・・・・
その艶やかですべらかな髪の感触と、フルーツのシャンプーの香り。
・・・・・・・・。
ムラムラッ。
「ねぇ、続きしてもいい?ッテェ!!!」
今度は彼女が顔を上げた時に、その頭が俺の顎にクリティカルヒット。
「祥吾、ムカツク!!!」
「はははははは」
一緒に居ると、楽しくて痛い。
少しだけ猟奇的な俺の彼女。




