現実⑴
2話目です。
よろしくお願いします。
「ご馳走様でした。」
食後にコップに注がれたヌルい水を飲み干し、父との剣の稽古の為、庭に出ます。
「ケイ!早く木剣を持て!」
現役の時はCランクのバトルマスターでオーガを倒した事もある父、カインですが、
クエストで受けたモンスターの牙で左手を失ってからは引退して田舎で用心棒をしています。
片手でもDランクの冒険者位の腕前はあるようです。
「はい!父さん!」
大人用の木剣を手に取り父と打ち合いを開始します。
カン...カンッ....バコッッ!
「あっ、ケイ!大丈夫か?」
手加減しているにもかかわらず父の斬撃はかなりこたえます。
「ケイ!大丈夫っ???」
母ミリアは昔、神官の巫女で僧侶をしていました。
「ヒール!」
温かい光とともに僕の体の痛みが引いていきます。
「母さん、ありがとう」
この世界には冒険者という魔物と戦う職業があります。
冒険者には実力と貢献度によりランクがつけられています。
G、F、E、D、C、B、A、Sと8段階の階級があるみたいです。
うちの地方ではDランク以上の冒険者には中々出会えない。
そんな地方で父と母はCランクパーティ《祈りの大剣》のメンバーでした。
言葉が少し喋れるようになった頃から、そんな2人からスパルタな特訓を受けております。
母に回復魔法、父に剣術を習い、すでにパラディンっぽい動きが出来るようになったもうすぐ5才になる少年の僕。
自分で言うのもなんですが、将来が楽しみです。
「そろそろ馬車が来る頃だ!ケイ、支度をして来なさい。」
「ハイ、父さん!」
「2人とも気をつけて行ってくるのよ」
とうとうこれから《看破の儀式》に行ってきます。
次回、主人公ケイの能力、職業が!