私の兄はかっこいい
私の兄はかっこいい。
こんなことを言うと、こいつブラコンかよ、なんて顔をされるのがいつものことである。
が、兄の写真を見せればそのイケメンっぷりに驚かれるのも、いつものことである。
そしてさらに、チラリと私の顔と見比べることまでが10人中10人の反応だ。
そこからは大体3:4:3ほどの割合で反応が別れる。
3割の人は、全然似てない、と素直な感想をのたまう。
4割の人は、突然私の顔も可愛いと妙に慌て出す。
残りの3割は、似てるね、と有りもしない共通点を探し出そうとする。
いずれにしろ私は兄の顔を晒すたびに、どうせ兄妹に見えないだの、どうせ可愛くなんぞないだの、どうせ真逆の遺伝子を引き継いでるだのと、心の中で悪態を吐くことになる。
実際、兄は両親の良いところだけを、私は悪いところだけを持って生まれてしまったため、似ても似つかぬ容姿をしているわけで、このことは幼少期より私に多大なコンプレックスを産み付けてくれたわけなのだが。
しかし、まあ、結局のところ、ここまでで私が何を言いたかったのかというと。
顔面の劣等感を植え付けられようが、こんな歳になってまで容姿一つでこだわっていようが、兄はそんな私の負の感情を凌駕して有り余るほど、理想的で、とても、とても、とても、素敵な兄なのである。
これは、大学生にもなって飽きもせず兄がかっこよくてかっこよくて大好きだと公言してはばからない、私がお送りする兄の素晴らしさを布教する手記である。