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弱者の敗北  作者: 蛞蝓
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『みんな』が、敵なのか?



ここに書くことではないのですが、、、。


初めて小説書いたので誤字脱字あれば教えて下さい。

なんと教えてくだされば

「ありがとう」と自分の心の中で囁きます。

キリンのリンは日曜日の夜、家でテレビを見ていた。

いや、違う。

テレビを観ていた。の方しっくりくる。

魅入っていた。


最初は昼ごはんを食べている間に暇だからテレビをつけた。ただなんとなく、ぼうっと見ていた。ご飯中にテレビを見るのは癖みたいなものだった。


マラソンがやっていた。

10㎞マラソンというマラソン史上最も過酷なものをやっていた。10㎞マラソンとは、10㎞どれだけ速く完走出来るのか競う競技である。国際的な大会の競技にもなっている。


ただ、動物ごとにカラダの作りが著しく異なるので、

実際の大会では種類ごとに分けられて競技が行われる。


しかし今回、動物の中で一番を決めようぜ!!というテレビの企画で全種類の動物がミックスされた状態で競技をする大会が放送されていた。


ただし、この大会では力の差があり過ぎる肉食動物は除外された。

この時点で既に全種類では無いのだがこういう所がいかにもテレビの企画っぽい。

第1回「みんなみんな集まって!!大会」だという。


リンですらダサいと気づくぐらいのダサい名前だった。

テレビの企画での大会の名前なのでわざとかもしれないが。


リンは特別テレビが好きでは無かった。

マラソンが好きでも無かった。

まだ幼いリンは割と外に出て体を動かすのが好きなのだが

サッカーだとか野球だとかバスケだとかが特に好きだという事も無かった。

そのせいか、

スポーツの番組はリンの家では夜に父が野球を見る以外は流されることはなかった。

テレビはバライティー番組でワイワイやっているのが好きだった。


当然いつもならマラソンの番組なんて見ない。

だから、リンの母はテレビのチャンネルを変えようとした。


勿論、なんとなくで。


しかし、リンは母をとめた。

面白かったのだ、ちょっとだけ変わったマラソンが。


それには理由がある。

それはここまでのこの番組のあらすじをいえばすぐに分かる。



〜〜〜〜あらすじ〜〜〜〜

10㎞マラソンで優勝候補だったウサギ代表のヨル選手が初めは一番だった。

しかし、余りにも早くゴールまで来てしまったのでゴール手前で仮眠をとることにした。


そこに、初めは最下位に近かったカメ代表のアサ選手がじりじりと順位を上げてついには2位にまでなった。

そして、うっかり長い間寝てしまったヨルを追い越しそうになる。

起きたヨルは焦って逃げ切ろうとするが、今まさにアサが勝ちそうになった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「さあ、どっちが勝つんだ?ヨルかアサ。頑張ってアサ!頑張れアサー!!!」

リンは必死になってそう言った。

「頑張れ!アサ。でも、例え負けてもこのままいけば2位にはなれるんだからすごいわね。」

リンの隣で暫くテレビを見ていたリンの母は、

負けてもリンが悲しまないようにそう言った。

いや、自分に言い聞かせたのかもしれない。

リンの母もテレビに釘付けになっていた。

凄く白熱した戦い、

というのはこういうのを指すのだろう。

リンやリンの母以外にもこの番組に釘付けになった人は沢山いただろう。

いや、間違いなくいた。いたんだ。

この番組の視聴率は歴代最高クラスだった。


ただ、生放送だったので昼のうち、

すなわち、大会の開始直後はお世辞にも良い視聴率では無かった。

だが、段々アサの順位が上がると共に視聴率も上がっていった。

つまり、ヨルとアサの存在が大きかった。


この2人の戦いにみんなが夢中になっていた。

リンがこの番組を見始めたは番組の最初からだった。

終わる頃には夜になっていた。普段ならもう寝る時間だ。

しかし、明日小学校があるにも関わらずお正月の時みたいに

夜遅くまで起きていることをリンの母に許された。


リンの母もリンと一緒に最後までアサとヨルの戦いの行方を見届けたかったのだ。

当然だが、リンとリンの母はアサを応援していた。

それは、逆転勝ちが見たいという願いからというのもあるからだった。


しかし、それ以上に弱いものが強いものに勝つ姿を見たかったからなのだ。

さあ、どっちが勝つ?


結果はみんなの望み通りカメ代表のアサが勝ったのだ。

この時アサは、

みんなにカメがウサギに勝ったことから希望とか勇気とか諦めない心とかの大切さを改めて実感させた。


のちにこの話は道徳の教科書に載るのであった。

そんな凄い出来事は1人のキリンの将来の夢を決めた。


リンは言った。

「僕は将来あそこに立って、そして、みんなを、感動させたい!!」


リンの母は

「リンなら絶対出来る!人を感動させれる!!

、、、けど、別に、

マラソン選手にならなくたカッコいい職業はたくさんあるのよ。」

と言った。


リンは真面目だった。


だから、人一倍影響を受けやすかった。


「だって、だって、、カッコいいもん!!マラソン選手!カッコいいもん!!」

リンは何度もそう言っていた。


リンはマラソン選手を目指した。勿論、10㎞マラソンの選手。


この物語はリンの、マラソン選手への道を歩んでいく姿をえがいたもの。

では、ない。


この物語は、ここから8年が過ぎて超人気番組となった、

第5回「みんなみんな集まって!!大会」に、

リンに出場の依頼が来たとこが決まるところから始まる。

リンはその時には、キリンの中で一番10㎞マラソンを早くゴールすることが出来るようになっていた。


その時、リンは出場する誰よりも緊張していた。

アサよりもヨルよりも。

なぜなら、リンはある計画を立てているからである。


その計画を実行するには覚悟が必要である。

ほぼ不可能に近いその計画を実行しようとは普通思わない。


だが、リンは本気だった。


足の震えが止まらない。


緊張するのも無理はない。


緊張よりも恐れに近い、この感覚、、、、、


リンは自分がどれ程までに、恐ろしい事をしようとしているのか

自覚していた。


夜に目が覚める日が続いている、、、


だが、仕方の無い事だろう。




「この大会をぶち壊す」という計画を実行しようとしているのだもの。

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