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ぼらんてぃあぶっ♪  作者: yukey
Dear My Friend
16/28

勉強会

部活動と言う名の勉強会開催ですの

その日は、雨が降っていた。

いつものように私は、キョーカちゃんと部室へ。と、いっても部活動をするのではなく勉強のために部室へ向かっていた。


「あめすごいね」


窓を脇にみやり、杏果はつぶやく。

私も少し雨を見てため息を漏らす。

でも…


「帰りは大変かもだけど、勉強には集中できそうだよーっ?」


私は応えた。

キョーカちゃんも同じくうなづき、扉を開ける


「2人ともはやいねー」


そこには先輩…、三木先輩の姿があった。

どうやら彼女も勉強中のようだった。



ザーッと雨の音だけが聞こえる。

勉強には集中できてる。誰も喋らないし喋る必要もない。

ただ、雨の音だけが聞こえる教室でひたすらに問題を解いた。



……。



どれくらい経っただろう。勉強もひと段落ついて周りを見てみると先輩の姿はなく、私とキョーカちゃんだけになっていた。

キョーカちゃんはまだ勉強している。

邪魔をするのも悪いと思い、少し席を外そうとする。

すると、突然杏果は口を開く。


「ねぇもえちゃん。」


その声に反応し座り直す私。


「ねぇもえちゃん、勉強はかどった?」


どうやら勉強ばかりに疲れて少し雑談がしたいみたいだった。

私もキリのいいところに行っていたし、少し休憩を挟みたかったので、廊下へ出て自販機へと2人で向かった。


ガチャン。


自販機からジュースがでてくる。


「ふぅ。勉強ばかりだとやっぱ疲れちゃうね」


杏果は苦笑いしながら話しかける

私も少し疲れていたし、あまりはかどらなかったと話す


「ふふっ、そうなの?その割にはすごく集中してたみたいだったけど。」


少し意地悪に杏果は応える。

私も少し意地悪に返してみる


「そんなことないよっ。私よりもキョーカちゃんの方が集中してたじゃない?私が席をたったから自販機きたんじゃない?」


少し意地悪が過ぎたかなと思いつつも言ってしまった。

でも、彼女も負けず嫌いに返す


「あー!そーゆー意地悪言うんだね?そんなこと言うと怒っちゃうよ?」


そう言って2人で笑いながらまた教室へ戻った。


「そういえば先輩はどうしたんだろー。」


私はキョーカちゃんにたずねる。

すると、杏果は応える


「私の勉強はきりがついたし、ラブラブな2人のお勉強タイムを邪魔しちゃ悪いからって言って先に帰ったよー」


杏果は応える。そして思い出したかのように顔を赤らめる。

私も少し赤くなり、とっさに勉強、勉強っと。と話をそらした。


ザーッ。まだ、雨は降っている。あれからまた黙々と2人で勉強している。

特に話すこともないけど、さっきの話のせいか妙に恥ずかしい。

集中するキョーカちゃんに悪いとは思ったけど、やっぱりきになる。

だから、少し悪いとは思いながらも声に出す。


「ねぇ」


杏果は顔を上げる。

そして、ペンを置いた。


「なんか、さっきの話のせいか少し恥ずかしくて…」


と、先ほどの話を蒸し返す。

杏果も少し顔が赤いまま応える。


「わたしもね、勉強してても頭の中でそのことが繰り返し、繰り返しでてくるの。それを考えるたびに顔が赤くなっちゃって。」


やっぱり、キョーカちゃんも少し恥ずかしいみたいだ。

三木先輩もなかなか意地悪だ。

というか、ただのいたずらな冗談なんだろうけど。

ただ、教室に2人で勉強…この環境が妙にリアル。

恥ずかしくなって勉強どころじゃない。

だから、少し間を空けて、私は言う。


「なんか、勉強の気分じゃないね。そ、そろそろ帰ろっか?」


杏果も同じ気持ちなのだろう。少し恥ずかしがりながらも うんっ と小さく声を出した。

廊下へ出て窓を見ると雨はもうほぼやんでいた。

これならぬれる心配もない。

傘をさし、2人で仲良く下校した。


翌日、同じく部室へ向かう。

すると今日は三木先輩だけではなく、霧ヶ峰先輩もいた。幸ヶ谷先輩はピアノの練習があるらしく、少し部に顔を出して帰ってしまった。


「昨日はごめんねー。生徒会の仕事が急にふってきちゃって。」


どうやら霧ヶ峰先輩がいなかったのは生徒会があったからみたいだ。まあ仕方ないよね。いつもすごく忙しそうだもん。

すると、三木先輩はいたずらな笑顔で


「昨日はどうだったの?」


と、聞いてきた。霧ヶ峰先輩がキョトンとしていると、三木先輩は続ける


「あまりにも2人がラブラブでしたのでお先に帰らせていただいたんですっ♪」


冗談っぽく笑う。まぁ、冗談ですけどね。

霧ヶ峰先輩も少しニヤッと笑いながら、続ける。


「えっー!2人ってそんなカンケイなの?」


すごくわざとらしい。でも、その方が嫌味っぽくないし、2人とも冗談だってわかってるから私たち1年生をからかっているだけだった。

だから私たちも意地悪く返す。


「もー、先輩2人して後輩いじりですかー?陰湿ですよー?」


声のトーンを上げてわざとらしく言う。その方が嫌味らしくならないから。


すると、先輩2人も笑いながら


「ごめん。ごめんー。」


とジェスチャーする。

キョーカちゃんも笑っている。

そして、部活動と言う名の勉強会が開かれみんなで一緒に下校した。

そんな形で今日も1日過ぎていった。

奉仕部の日常会です。少しの間は

”ぼらんてぃあぶっ♪”

ではなく、

”奉仕部”

をお楽しみください

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