”ぼらんてぃあぶっ♪”ですっ!
駅前でチラシ配りをし始めた裕佳梨たち。「あと少しなんですっ」自分たちの部活動が何か思いつきそうな裕佳梨たち。
ユカ「きっとこれなんですっ!!」
ユカ「よかったらどうぞー。雪解け祭に使えるドリンク無料券付きですーっ。今年もたくさんの屋台が出るのでよかったらきてくださいねーっ。」
駅前でチラシを配るみんな。この時間は人通りも多い。毎年、この時期に行う雪解け祭。たくさんの人に来てもらうためにもチラシを配り続ける。道行く人々にチラシを配るが…受け取ってくれる人はまばらだ。
時間が経ち、すこしずつではあるがチラシも減って行く。だが、人通りの多い時間帯はおわってしまった。
凛菜「ああ。さすがにこの時間帯からはきびしいですね」
凛菜は少し、落胆の色をのせた声で裕佳梨に声をかける。裕佳梨もそれが分かっているのか、少し間を空いて返事をする。
ほんの少しの時間だが、それは逆に厳しいという状況を伝えるのには最適だ。
ユカ「ううん。そんなことないって!これからだよっ!大丈夫っ!」
裕佳梨の声も間が空いての返事のせいか、自身への励ましにしか聞こえない。駅前は人通りが少なくなって来た。心なしか空も曇り始める。少し焦りを感じ、再び口を開ける。
ユカ「大丈夫…。大丈夫だよっ!さっ、みんなもう少しだからがんばろっ?ねっ!」
みんなに裕佳梨は話す。だが、見るからにチラシは減っていない。それどころか人さえほぼ歩いていない。さすがにこの状況では他のみんなも焦りを感じ始めている。
すると、雨がポツポツと降り出した。
ユカ「雨だー…。傘差さなくちゃ」
傘をさす。しかし、傘をさすと周りが見えづらくなる。それは裕佳梨だけではなく他のみんなも駅前を歩く人々にもいえる。このままではチラシ配りをしてもチラシ配りをしていることに気づく人々の方が少なくなってしまう。そう思い、裕佳梨たちは場所を移すことにした。
ユカ「ここなら大丈夫っ。屋内だし、駅前とは違って人もたくさんいるはずっ」
そこはデパートだ。元々、無理を言ってチラシ配りの許可はもらっていた。が、駅前でチラシを配ることに気がいきすぎていて、すっかり忘れていたのだった。
ユカ「あははー。人が減ったら最初っからこっちにすればよかったね。ごめんごめん。」
他のみんなもそれぞれ言いたいことを言う。
モカ「もー。ユカー、大切なことなんだから先に言ってよー。」
萌華は冗談混じりに怒る。
凛菜も奏多も少し笑いながら怒った。
そして、また少し時間が経った。
デパートに来てからは駅前でコツを掴んでいたのか、すんなりとチラシを配れた。そしてみるみるうちにチラシはなくなって行き、チラシを全部配り終えることができた。
裕佳梨は、チラシを配り終えるとみんなの方を向く。
そしてこう続ける。
ユカ「ねぇ、みんな。わたし、わたしね。何か…何だろ…、あのね、部活動…部活動ね、どんな部にしたいのか何がやりたいのか分かった気がするっ」
裕佳梨は自信満々な笑顔をみんなに向けた。
みんなは少し驚きながらも、どんなことをするのか気になって少し笑顔になってしまう。
ユカ「あのね、きっとね、人々を助けたいって言うのが一番だと思うのっ。前にもいったけどやりたいことをやる…それって人々を助けたいってことだよ。わたしの中のやりたいことそれは、誰かを助けたい。それだけなんだっ!だから、わたしたちの部活動はね、奉仕をメインにするけど…、奉仕部じゃなくて…、ボランティアの部活なんだっ!人々を助けたい…だからボランティアで助ける。めちゃくちゃかもしれないけど、わたしたちの部活動はボランティア部なんだよっ!!!」
なにか、モヤがかかっていたものが取れたような気分で裕佳梨はみんなに向かってこう続ける。
ユカ「だからね!ボランティア部として、わたしたちの部活動を新設しようよっ!みんなと一緒ならあと1人の部員だって見つけて、承認だってもらえるよっ!!!」
興奮気味に話し続ける裕佳梨。
そして、それを聞いたみんなはそれぞれ
凛菜「ボランティア部ですか…。ふふっ、裕佳梨さんらしいですね」
モカ「ユカが決めたことだから私はユカのやりたいことに賛成だよっ♪」
奏多「ボランティア部ですの?ふふ、またユカさんらしいですわっ」
笑顔という返事をくれた。
ユカ「そうだ。名前考えないと!ボランティア部だと、普通すぎるよっ!少し変えてみようよっ」
裕佳梨はみんなに聞く
モカ「うーん。ボランティアかー。お助け部?」
萌華は冗談混じりに話す。
それに返すようにして凛菜は
凛菜「それでは、助けてくださいといっているように感じます。ここはご奉仕部とかどうでしょう?」
と応え、自身の意見を返す。
モカ「それだといかがわしくなるよ?」
ユカ「それに、奉仕部だと、きっと承認もらえないよー」
凛菜の意見はある意味正解ではあるが、萌華と裕佳梨の言うようにそのままではやはり生徒会でも承認はもらえそうにない。
そうして、意見が平行線へと向かう。
3人は平行線へと向かうと同時にあたまをかかえる。
すると、そこへ奏多が声をかける
奏多「ねぇ、みなさん?それでしたら、ボランティア部をひらがなでかいてみるのはどうでしょう?」
奏多はボランティア部を”ぼらんてぃあぶ”といった。それを聞いた萌華が何かをノートへ書き始める。その少し不思議な光景を見つめるデパートのお客さん。裕佳梨たちは自分たちがいる場所を思い出し、少し顔を赤らめながらその場を去った。
ユカ「ここなら大丈夫」
裕佳梨たちが着いた場所…そこは学校の図書館だった。
琴音「あらあらー?ユカちゃんー。私が恋しくて休日なのにきてくれたのーっ?」
琴音先生はアクセル全開だっ。
ユカ「あ、紗凪先生ー。私たちの部活動が決まりそうなんですっ」
裕佳梨はアクセル全開な琴音先生を軽くかわしつつ、本題をぶっこむ。
モカ「これこれー」
萌華は先ほど書いた物をみんなへと見せる
”ぼらんてぃあぶっ”
そうかいてあった。
裕佳梨は萌華に向かいこう言う。
ユカ「ぼらんてぃあぶっ?」
萌華は実際に口に出され、少し恥ずかしいのか顔を赤らめながらもこたえる。
モカ「そうっ!ぼらんてぃあぶっ。これなら誰が見てもどんな部活かわかるし、名前も可愛いでしょ?」
萌華は少し自信があるようだ。
そしてそれをみていた奏多がぼらんてぃあぶっに音符を付け足す。
奏多「こちらはどうです?」
”ぼらんてぃあぶっ♪”
すると、各々が「おおーっ」と声をあげた。
ユカ「それ、すっごくいいよ!!私、気に入っちゃった。」
裕佳梨に続き各々が感想をもらす
凛菜「ええ。こちらの方がさらに可愛いです」
モカ「うんうんっ。私のぼらんてぃあぶっより音符足した方が可愛いわっ」
奏多「ふふふっ。そうでしょう?」
みんなの賛同を得た奏多はご満悦だ。
みんなの感想を人通り聞いた裕佳梨はこう口を開ける。
ユカ「じゃあ。わたしたちの部活動はこれで決まりだねっ!”ぼらんてぃあぶっ♪”」
自分たちの部活動が決まった瞬間だった!
今回は裕佳梨たちの部活動が決まる部分です。あとは部員1人と生徒会、先生の承認を得ることのみっ!新設へ向けさらなる歩を進めた裕佳梨たち! 次回より部活動新設編ですっ




