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悪魔なら問題ないよな!  作者: 塩大福くん
3/6

一周目 3話 出会い

 閉め切ったカーテンとカーテンの僅かなな隙間から漏れ出す眩しい光に照らされ、いつも通り椅子の上で目が覚める。

 

 起動させたスマホを見ると6時という表示が出る。朝だ。腕を伸ばし、思いっきり伸びをすると、小さな呻き声が出た。二度寝も考えたが、すっかり目も覚めてしまったので、起きることにした。

 

 ふと、昼夜逆転の生活を送っている俺が何で朝に目覚めたのかと疑問に思った。

 

 しかし、その疑問はすぐに解決した。昨日は久しぶりに出かけて、クタクタになってそのまま夜早くに寝てしまったのだろう。変にリアリティーのない不思議な夢も見たし。一体なんだったのかと思い、視線を昨日買った服にずらす。

 

 「今日、か」

 

 その言葉には「meizuさんと会うのは」という言葉が省略されている。

 

 俺は潔癖症、とまでは行かないが綺麗好きな方だから当然毎日風呂に入っているが、念のため風呂に入ることにした。

 

 風呂を洗い、お湯をボタン一つで沸かしている間に朝食を作ることにした。

 

 別に料理ができないという訳では無い。むしろ得意だ。小さい頃、今は離婚していなくなった父によく褒められたのを思い出す。

 鶏肉を一口大に切り、炒めている間に卵とだし、塩コショウを入れ、かき混ぜる。その中に細かく切った野菜も入れる。サッと鶏肉を入れていたフライパンに油を入れて卵たちを投入。チーズと明太子を入れてフワフワに焼き上げるとあっという間にオムレツの完成。

 

 一口ぺろりと味見をする。我ながら上手に出来た。

 

 同時進行で作っていた味噌汁を入れていると、妹が起きてきた。妹は俺が起きていることにぎょっと目を大きくして、開きかけていた口を閉じた。

 

 「に、兄ちゃん!?なんで!?」

 

 と慌てふためく。

 

 「俺だってたまには早く起きることもある」

 

 と言い、ついさっき作ったオムレツとご飯をよそって渡す。

 

 「はい、咲希の分」

 

 と渡すと俺の顔とオムレツを交互に見合わせながら咲希は目をキラキラと輝かせ、

 

 「ありがとう!モテないくせに無駄に背が高くて目つきが超悪いヒキニート兄ちゃんが作ってくれたご飯、すっごい美味しそう!」

 

 と言う。

 

 「......否定出来ない」

 

 と俺は呟き、自分の分の朝食を運ぶ。

 

 「母さんの分、持って行ってくる!」

 

 俺が食べ始めようとすると咲希が母さんの分の味噌汁とオムレツをさらに盛りながら言った。

 

 「いや...俺が持っていく」

 

 と俺がそのお盆を持ち上げて咲希を止める。

 

 「え?あ、分かった」

 

 咲希は珍しい俺の反応に若干戸惑ったようだったが、素直に頷き、自分の席へと戻っていった。

 

 ガチャリと部屋のドアを開けると、いつも通りそこには俺が聞きなれたパソコンのタイプ音が鳴り響いていた。静かにドアを開けたつもりだったのだが、俺の気配に気づいたのか、クルッと椅子を回転させ、母さんが振り向いた。

 

 同じ血が流れ着いているのもあるからかは分からないが、母も昔からパソコンのプログラミングが大の得意で、そこそこ有名なソーシャルゲームのゲームマスターの管理部の仕事に就いている。いつもは普通なのだが、仕事に熱心な時、特にここのところ最近は、俺と同じような引きこもり精神が強くなり、部屋に籠るようになっている。

 

 「ご飯持ってきた」

 

 と短く声をかけると、コクリと頷き、

 

 「そこに置いといて」

 

 とパソコンの置いてある机とは別の机を指で指す。

 

 カタンとご飯を置くと、母さんが呟いた。

 

 「そろそろ彩芽にあの事を言わなきゃいけない」

 

 俺は母さんに目を向ける。それと同時にタイプ音も止み、母さんが俺を見る。その目には哀愁を感じるようだ。

 

 「もうあの子に無理させたくないもの」

 

 はぁと溜息をつき、額に手を当てる。

 

 「......そうか」

 

 最終的に俺から出た言葉はそれだけで、部屋から出てしまった。

 

 それからは朝ごはんと風呂を済ませ、俺は待ち合わせ時間が来るまで、部屋の片付けをして時間を潰した。

 

 電車に揺られ約15分。目的地の花岡駅に着いた。

 いくら遅れたくないからといい、十五分前は流石に早かったかと若干後悔し、あ俺はTwittarを漁り始めた。

 meizuさんのツイーテを見ると、「これからお出掛け(?)だぜ〜」

 という投稿が三分前にアップされていた。既に数名がいいねしている。すかさず俺もいいねボタンを押した。

 「待ち合わせ早く来すぎたwどーしよかなw⊂(^ω^ )⊃」とだけツイートし、ケータイを閉じた。

 ちなみに俺のフォロワー数は505でmeizuさんは964だ。裏で絵師をしている咲希のアカウントは240000近くだった気がする。もはや桁が違う。

 実際咲希の腕は本物で、有名絵師の片手の指に入るほどだ。有名なボカロのPVを描いていたこともあるほどだ。咲希が俺宛に描いてくれたイラストをパソコンとスマホの壁紙にしていることは内緒だが。

 

 「君がみどりん?」

 

 不意に呼ばれた俺のアカウント名に驚き、顔を上げるとそこには中性的な声の持ち主が突っ立っていた。

 

 「貴方が、meizuさん?」

 

 にこりと笑い、その人はいう。

 

 「そう、meizuだよ」

どうも塩大福くんです。

夏休みですね。_:( _ ́ω`):_

前回に比べ今回は短めです。

それではまた次回の後書きで!

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