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待ちぼうけ

次の日の朝、俺は自分の弁当に、おにぎりを一つ追加で握った。夕方小山さんに教室で会えたら、食べてもらうつもりだった。自主練への協力、といえば聞こえはいいが、彼女のお腹をもう一度見たい、というのが正直なところだった。


バスケ部とバレー部の勧誘はきっぱりと断って、俺は迷わず卓球部に向かった。別に卓球がやりたかったわけでもないが、卓球部なら必ず6時前には終わると聞いていた。


後片付けをそそくさと終わらせると、教室に向かい、扉をノックした。返事はない。そっと扉を開けると、誰もいない教室で、時計の針は18時5分を指している。大食い部の練習は何時に終わるのだろうか。俺はそれすらも、知らないことに気付いた。


ゆっくりと長針が進んでいき、18時25分になって、校内放送が流れた。彼女は、現れなかった。誰もいない教室で、俺は自分のつくったおにぎりをかじった。ちょうど食べ終わったところで、教室の扉が開き――生徒指導の先生が入ってきた。


「おい、鈴木! いま何時だと思ってんだ! あと1分で外に出ろよ!」


「あ! はい! すみません!」


サランラップを慌てて丸め、俺は教室を飛び出した。散々な日だった。

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