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いち.


こんにちは。

前回自己紹介してませんでしたが

「佐々野 千里」です。ちさとじゃなくて「せんり」です。

コミュ障です。

突然ですが、助けてください。




お母さん、私は今とてつもなくトイレに行きたいです。



「ここ広すぎるでしょ…‼」



一つ、トイレを見つけるのに10分もかかるだなんて。

もう、とにかく広いのだ。

おっきい校舎に、噴水もある。

でかでかと入学おめでとう!とそこらに掲げられた旗。

大勢の人。

この人たちも、全員魔法を使えるのだろう。

そう思うと、自分はこの学園では特別でないのだ。

実感はわかないけれど。

そういえば、ひとつ気になっていたことがある。

私は「国立魔法学園」とかいうだっさい名称の学園の存在を今まで知らなかった。

なのに、今日、一歩も迷わずここについたのだ。

地図なんか、ついていなかったのに。

どんな魔法を使っていたのか、わくわくする。

そんなことも学べるのかな。



「わっ!」


「きゃっ!」



余計なことを考えながら走っていると

1人の女の子とぶつかってしまった。

透き通るような青色の髪の女の子。

キレイだな…じゃなくて、

まずは謝らないと…

すー…はー…と大げさに一つ息を吸って、、、



「あ、ええと、ご、ご、ごめん…ね?」



そして、もちろんキョドる。

2年も引きこもりをしていて、

両親ともロクな会話をしなかった私にはこれさえきつい。

相手の目を見て話すことなんて到底無理だ。

私は立派なコミュ障に成り下がったんだ…

自分は特別だ、とかそんなのネットの中でしか言えない。



「いえいえ‼前を見てなかった私も悪いのですよ‼」



青い髪の子がそういって顔をあげる、と、

ごく自然に私は、

「きれいだ。」

と思った。

青い髪に無邪気な黄色の目。

まつ毛も長くてお人形さんみたいだ。

久しぶりに外に出たのもあるかもしれないが、

女の子ってこんなにかわいかったっけ…?

もちろん、声も高くてかわいくて…


じゃない。


やばい。そろそろ私のお腹が限界だといっている。

入学早々おもらしだなんて私の学校生活は終わる。

謝罪もそうそうに私は駆け出した。

後ろで何か言っていた気がしないでもないが、

ごめんよかわいい女の子。

私には学校生活を守ることの方が重要なんだ…‼

心の中で謝りながら、

とりあえずトイレに駆け込んだ。





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