表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集

不足時間

作者: ロースト

足りない時間。


苦しい。

つらい。

哀しい。

こわい。

にくい。


すべてが、苦しくて、辛くて、哀しくて、怖くて、憎くて……

感情を抑えられない。


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……

苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい……


辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い……

憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い……


誰も、誰も私のことなんてわかってくれない。

誰もが私のことなんてどうでも良くて、取るに足らない。

私なんていらない存在。

みんな、みんな誰も私のことなんてわかってくれない。

私のことなんてわからないし、わかろうとも思ってくれない。

哀しいよ。寂しいよ。

嫌だよぉ。酷いよぉ。


みんな、私に押し付けて、自分勝手で、

人の気持ちなんて考えないどころか、

人に気持ちがあることも忘れているかのよう。


今しか出来ないことはいっぱいある。

私の人生、好きなことやりたいし、たくさんのことを学びたい。

今、やんなきゃいけないこともたくさんあるし、やろうとも思う。


やんなきゃいけないことがある。

好きな様にやりたいことがある。


そんなの当たり前。

自分のためになることなら、進んでやろうと思うし、

自分の興味の赴くままに、行動も起こす。


みんなわかってない。

自分勝手なことばかり言って、私を自分の代わりにしようとする。

私は私で、あなたはあなた。

まったくの別人。似ても似つかない他人。


私が何しようと勝手だし、何を言われることもない。

あなたが何か言う権利もない。

強制されることも本当はおかしい。


私はあなたの代わりじゃない。

私は個人だし、あなたは他人。


私の悩みも、苦しみも、辛さも、何も知らないくせに、

知ったようなことをいわないで。


それは拒絶。

哀しい拒絶。


なのに、縛られる。

束縛され、囚われる。


私はペットでもないし、あなたでもない。

そんなことわかってる。でも、従うしか出来ない。

そんな人生、もう嫌。


そんな世界、終わってしまえばいいんだわ。

でも、私は死ねない。

なら、あなたを殺す。

そして、私は自由になる。


でも、それは本当の自由じゃないことも知ってるの。

だって、殺しちゃったら、

殺したことに束縛され、おびえ続ける人生を送るんだわ。


そんなの、嫌。


じゃあ、どうすれば、この世界は終わるの?

じゃあ、どうすれば、この人生は終わるの?


自由に、なりたいだけ。

やりたいことをやりたいだけ。

自分の信じる道を進みたいだけ。

自分の人生を、生きていきたいから。

自分の生活を、選び取っていきたいから。


私のやりたいことは、この人生のままではできない。

だから、この人生に、この生活に、終止符を打つ。


でもどうやって?

自分を殺せば、やりたいこと出来ない。

だから、それはダメ。

あなたを殺せば、一生囚われ、自分に自由は

ない。

だから、それもダメ。


なら、どうすれば、いいのだろう。


そして、私は答えの出ない悩みを抱え、

いつもどおりの日々を過ごしていく。


ストレスで胃が痛くなっても、表に出さず、

熱があっても、素振りも見せない。


そんなことを続けたら、いずれは倒れるって自覚してたけど、

私にはどうすることもできなかった。


誰にいうことも出来ず、ストレスの発散場を捜し求め、何かに嵌っても、

逆にそのことで、余計に押し付けられて、

余計に、ストレスが溜まって。

そして、本当にやりたいことは何も出来ずに、時間は過ぎてゆく。


今できることは、今のうちにやっておかなければいけない。

時間は無限じゃない。

今しか出来ないことは、今やらなければいけない。

そんなこと、わかってる。


でも、私は何もできず、私自身は停滞し、時間速く過ぎ去る。

そして、結局私は何もできずにいるのだろうな。

そう、いつもと同じことを思いながら、

いつもと違うことが起きた。


今の自分の状況はいつもと違うといっていいだろう。

だが、これは、事態が余計に悪いほうへと加速しただけである。

何にも解決していない。


そう、私はとうとう倒れたのだ。

前から感じていた。

だが、こんなに速いとは。

大人になってからのことだろうと思っていた。

もう少し、後だと、思っていた。


これで、いよいよ時間は切羽詰ってきた。

いや、前から切羽詰っていたのが、目に見える形で、

しかも、もっとも最悪な形で出てきたに過ぎない。


私は、もうすぐ消える。

もうすぐ、死んでしまう。

余裕など、元からなかったが、

今は余裕はないが、切羽詰るというよりも、

逆に、

時間がなさ過ぎて、諦めているというほうが近いかもしれない。


やりたいことは一つもできない。

中途半端も嫌だが、一つくらい、

自分のやりたいことを一つでもやりたかった。


今まで生きていて、自分のやりたいことなんて、一つもやり遂げていない。

それは一つに、

やりたいことを見つけるまでが、時間がかかったこともあるのだろうが、

事態を楽観視しすげていたことも、一端にあるだろう。


ああ、でも、やりたいことが、一つだけできる。

そう、それは

やりたいことのために考えた未完成な打開策。


やりたいことのために、この人生を終わらせようと思った。

やりたいことのために、この人生に終止符をうとうと思った。


それが、自分の人生が終わることによって、

果たされる。


自分のやりたいことが、この人生の内に、

一つだけだけど、果たせる。


皮肉なことだ。

自分のやりたいことのために、悩み、倒れて、それで死ぬ。

死ぬことによって、この人生から開放される。

私にはやっと自由が訪れえるというのに、

なのに、死んでしまったら、やりたいことなど出来ない。


そしてまた後悔する。

あの時、やっておけばよかった、と。

でも、本当はやりたくても出来なかった。


束縛されていたから。

私に自由はなかったから。


だから、なんと言う皮肉。

ああ、すべてが、苦しくて、辛くて、哀しくて、怖くて、憎くて……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ