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log.02/瞳
「レイ、ちゃん……」
さっさと荷物をまとめて、数少なかった従者たちを解雇し、家から出る準備を進める。
それを見ていた母さんは、ゆらりと切なげに瞳を揺らした。
「……。母さん、私は大丈夫だよ。旅とか冒険とか、私楽しみだし!」
わざと明るく、楽しそうに笑って見せる。すると、母さんはぽたり、ぽたりと手の甲に滴を落とした。
「……っ、ぐすっ、ごめんねっ、レイちゃん……! あなたのこと、救えなくて……っ!」
わんわんと子供みたいに泣き出してしまった母さんを、私は慌てふためきながらぎゅっと抱き締めた。
その私からのハグに、母さんはさらに声を上げて泣いた。
「——父さん、母さん、姉ちゃん。それでは……、また」
「ああ」
「……ハンッ」
「……ええ」
私の挨拶に、父さんは素っ気なく、姉ちゃんは鼻で嗤い飛ばし、母さんは俯きがちに応じる。
そして私は、扉を開けるときに振り返って。
最後に、見た。
——父さんの失望の瞳と、
母さんの悲哀の瞳と、
……姉ちゃんの、侮蔑の瞳を。
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