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麻痺無双!~麻痺スキル縛りで異世界最強!?~  作者: スギセン
3章

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57話 迷宮管理協会へ!

闘技場はひとまず置いといて……

ダンジョンを知るには、迷宮管理協会へ。

 巨大な闘技場の興奮を引きずったまま、俺たちは食堂のテーブルに腰を下ろした。ベルは待ちかねたように身を乗り出す。


「さて、パーティー名ですけれども、まずはみなさんの意見を聞きたいですわ!」


 俺は適当に料理を頼み、フンフン鼻息荒いベルをチラリ。「そう言うお前は、何か考えてるのか?」と聞くと、ベルは待ってましたとばかりに咳払いした。


「ワタクシが考えるのは、“エレガンスナイツ”ですわ!まさにワタクシにふさわしい名前……高貴なる騎士たち、とでもいいましょうか……!」


 キラキラと胸を張るベルだが、料理が運ばれるや否や即座に手を伸ばし、「いただきますわ!」と口に運ぶ。俺は心の中でツッコミを入れた。


(どこが高貴だよ、どこが)


 ラヴィにも聞いてみる。


「ラヴィ、お前はなにかあるか?」


 小さく唇を噛んだラヴィは、ぽつりと呟いた。


「……”チーム武士道”」


「お、おう……シンプルでいいな。なあ、ベル?」


 ベルはまだ口いっぱいに料理を放り込み、返事になっていない。さすが食への本気度が違う。


「おい、”チーム食いしん坊”のリーダーさん。俺としては、麻痺要素を取り入れたいんだが、コンセプトがバラバラすぎないか?」


 ベルは料理を飲み込むや否や箸を止め、真剣な目で答えた。


「誰が食いしん坊ですの!……まあ、コンセプトはすり寄せていけばいいのですわ。全員の想いをくみ取ってこそ、パーティー名に意味が出てくるのですわ!」


「おお……いつになくまともなことを言ってるな」


「ふふん、当然ですわ!全員の想いを汲み取った最強のパーティー名、“ロイヤル麻痺武士ナイツ”をここに宣言しますわ!」


 俺は肩をすくめ、ラヴィに向かって笑った。


「……よし、ラヴィ、食おう食おう」


 ラヴィは無言で箸を進める。ベルはそれを見て抗議の声を上げる。


「ちょおっ!? なんで無視するんですの!?」


 結局、パーティー名はその場で決まらず、俺たちは食堂をあとにした。目指すは〔迷宮管理協会〕。セラ姐によれば、地域一帯の迷宮に関する情報を得るにはここが一番らしい。


 教えられた場所に着くと、民家と大差ない小さな建物がポツンと建っている。唯一違うのは、かすれた文字で「迷宮管理協会アルクーン支部」と書かれていることだけだ。


「すいませーん」


 恐る恐る扉を開けると、だぼだぼの白衣を着た紫色の髪の女性が現れた。年齢は三十代くらいか。目の下にはくまがあり、徹夜明けのような疲労感が漂う。


「ん? だれ?」


「ギルドのセラーナさんの勧めで、迷宮のことを聞きに来ました」


 女性は眉をひそめ、ぶつぶつ呟く。


「ちっ、セラのやつ、私に仕事押し付けやがって……」


 感じ悪ぅー、帰ろうかなと思ったが、彼女が手を振って招き入れる。


「ほら、さっさと入んな」


 中は書類が山積みで、ごちゃごちゃしている。彼女は机に突っ伏すように座り、言った。


「私はアイヴィ。ここ、迷宮管理協会アルクーン支部の支部長……まあ、一人しかいないけどね。よろしく」


「よろしくお願いします! 俺はマヒル、こっちはベルとラヴィです」


「ふうん……あんたら迷宮は初めてなんだよね? Dランクに上がったばっかのぺーぺーのルーキーちゃんってわけだ」


「ええ、まあそうですね。それで今回、迷宮に挑戦したいんですけど」


 アイヴィは机から顔を上げ、にやりと笑う。


「死ぬよ」


 その一言に、俺の背筋がぞくりとした。ここはゲームじゃない。異世界の現実、そして迷宮の過酷さを、俺たちはまだ知らなかったんだ――

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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次回もよろしくお願いしますm(_ _)m

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