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麻痺無双!~麻痺スキル縛りで異世界最強!?~  作者: スギセン
4章

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130話 決戦、ハーロウ!!③

 俺とハーロウの一騎討ち。正直、万に一つの勝機も見出だせないが、戦わないことには勝ち目なんて来ない。

 まずは俺の放った【パライズ】を受け、麻痺ったハーロウ。


「ぐっ――フフッ、無駄なことを!」


 しかし、ハーロウが常時発動させている【自動浄化(オート・フレッシング)】により麻痺は解除。


 続いてハーロウの展開した魔法陣から、大量の《ホロウ》が現れた。夜空を埋め尽くさんばかりの白い亡霊の群れ――


 俺はすかさず【麻痺連鎖(ショック・チェイン)】で応戦。夜空に浮遊する全ての《ホロウ》を地面に落としてやった。


「フハハッ、無駄なことを! 的が増えた所で、俺の麻痺からは逃れられないぜっ!?」


「……! 面白い、ならばこれはどうだ……?」


 ハーロウは次々と魔法陣を展開。そりゃあもう、尋常じゃない数を――


「はっ? いやいや、待て待て――」


 いくつもの魔法陣から、ウジャウジャと《ジャックオーランタン》が現れる。その数、十数体どころじゃない。もはや数え切れない程、辺りはカボチャ頭に埋め尽くされた。


 ギチ、ギチ、と近付いてくるカボチャ頭たちに【麻痺連鎖(ショック・チェイン)】を何度も叩き込み、次々と倒れ込んでいく。

 ――が、数が多過ぎた。


 倒れた《ジャックオーランタン》を踏み越えて、新たに召喚されたものが続々と行進を始める。

 まさに無限地獄。


「……くそっ、キリがねぇ……! それにこのままじゃあ、俺のMPだってもたないぞ……!」


 現状、俺の【麻痺連鎖(ショック・チェイン)】で麻痺らせられる数は十数体程度。それを何発も撃ち込んでいるにも関わらず、行進は止まらないことから敵は少なくとも数百体。全部を止めるのは不可能だ。


 ただでさえ相当無茶な戦いだってなに、長期戦になると最早戦いにもなりゃしねぇ!

 それを分かっているのか、当のハーロウはローブをはためかせてフワフワ浮いて高みの見物。


「てめぇ、このやろう! 降りて戦え――うわっ、このっ……!」


 いつの間にか迫っていた《ジャックオーランタン》に服を掴まれ、慌てて振りほどく。

 せめて、何か隙でもありゃあ……!

 藁にもにすがる思いで、麻痺を撃ち込み続けていたその時――


「……お、お~っほっほっほっほ!!!」


 高らかな笑い声が響いた。

 それは、清く美しい奏でとなって俺の心を凛と照らした。


 圧倒敵な物量差に弱腰になっていた俺の、身体の芯からほとばしるような熱を感じる――!!

 ベルの【高貴なる咆哮(ロイヤル・ハウル)】だ!付随効果による、士気の向上はとんでもなく俺に効いたぞ……!!


 そして、【高貴なる咆哮(ロイヤル・ハウル)】のもう一つの効果――

 俺に大挙として迫っていたカボチャ頭の群れは、一斉に別の方を向き、進んでいく。そう、ベルのいる方へ。


「ベルっ……!!」


 だが、この隙を逃すことはできない。

 どこにいるかも分からないベルが、必死の思いで繋いでくれたこの一瞬を、無駄にすることは――


「【麻痺銃(パライ・ガン)】ッ!!」


 俺の左手から麻痺の弾丸が高速で放たれ、フワフワと漂っていたハーロウを見事に狙撃――ッ!!


「ぬうっ……!?」


 そのままバランスを崩し、ゆっくりと落ちていく。

 俺は《ジャックオーランタン》の群れをかき分けかき分け、進み続ける。


「くっ、こんなもの、何度やったって――ぐわわっ――」


 俺はすかさず【パライズ】を発動!

 再び浮き上がり、格好の的となったハーロウを麻痺らせた――!


「解除されようが、麻痺は効く。 お前さえ抑えとけば、後は仲間が――」


 刹那、空気が張り裂けそうな衝撃が走り、獣の遠吠えが夜空に鳴り響く。

 その声は怒りに燃え、闘士沸き立つ、頼れる仲間の魂の咆哮だった……!


「ウガァァウッ……!! マヒル殿、ベル殿、今助ける……!!」


 さっきの衝撃、恐らくラヴィの最後の切り札【超獣化(ワイルド・ターキー)】が発動したんだ。ただでさえ身体能力の高いラヴィが、数段強くなる。

 うん、頼もしい限りだ……!


 俺はハーロウへの麻痺を絶やすことなく、スタンブレイカーで眼前の敵をなぎ払い続け、とうとう至近距離までハーロウに接近した。


「こんばんは、ハーロウさん」


「ぐぅっ――フ、フハハハハ……! ようこそ、恐怖の根源へ」


 ジリッ――と睨み合う。

 まるで俺たちの周りだけスローモーションになったかのように、時が張り詰める――


 ピクッ――

 ハーロウの手が一瞬だけ動く――と同時に、巨大な魔法陣が展開。


 ――が、魔法陣はシュンッと消えハーロウは小さく痙攣し、地に膝をついた。


「……【パライズ】だ。 俺の方が、ほんの少しだけ発動が早かったな」


 そして俺はバチバチとスパークするスタンブレイカーを天にかざす。

 ハーロウは麻痺りながらも口角を吊り上げ、この状況でさえ楽しんでいるようだ。


「……気付いてたか? お前が麻痺ってる間は、新しいモンスターが召喚されない。 "麻痺"ってのは、文字通りあらゆる行動を麻痺させるってことだ。 つまり、麻痺している間なら、恐らくは――」


 俺はハーロウに追加の【パライズ】かける。スタンブレイカーは、今にも弾けんばかりに唸りをあげる――!


「唸れ相棒!不死なる者に真なる終わりを!!【超電(ボルティック)滅撃(・インパクト)】ッ!!」


 そして、勢いよく振り下ろした――!!


 バガアァァン――ッッ!!

 凄まじい爆音と共に、まばゆい程にほとばしるスパーク。


 確かな手応え。数メートル先に、ブスブスと煙を上げ地面に倒れるハーロウの姿。

 俺の一撃は、遂にやつを捉えた――!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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次回もよろしくお願いしますm(_ _)m

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