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麻痺無双!~麻痺スキル縛りで異世界最強!?~  作者: スギセン
4章

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101話 VSオメガゴーレム

 俺たちは岩陰にかくれてしゃがみこみ、コソコソと作戦タイム。いかにも物理の効きが悪そうな相手ということで、メインアタッカーはうちの箱入り娘、ベルちゃんだ!

 作戦はいたって簡単、俺たちがなんとか頑張って、ベルになんとか倒してもらおうって寸法さ。簡単だろう?


「――という感じにやろうと思うんだ。 できそうか?」

「できるかぁ!ですわ!」

「……マヒル殿、無謀」

「えぇー? これしかないと思うんだけどなぁ……」


 我がチームからは、どうにも酷評のようだ。ガレオとマルケスも、芳しくない表情を浮かべている。そしてクルスはというと――


「いけるんじゃないか?」

「えぇっ!?」

 俺を含めて五人が驚きの声をあげる。え、いけんの?


「作戦としてはザッとし過ぎているが、ゴーレム系にはやはり魔法攻撃が有効だ。 ベルフィーナ嬢の力を借りればなんとかなるかもしれない」

「ほ、ほれ!言うてるぞ! 魔剣士様のお墨付きだ!」

「えぇ、でも、そんな……」


 とか言いつつ、ベルはまんざらでもなさそうに身をよじる。早く決めてくんねーかなー。


「……でも、ワタクシの魔法でいいんですの?」

「へ?なんで?」

「いえ、ワタクシの魔法……つまりセバスチャンの攻撃ってことですわよね?」

「あ゛っ……!」


 そうだった……!ベルの最大火力はサモン・セバスチャン。執事風の何かを召喚して殴らせる、ゴリッゴリの"物理"攻撃だ。

 終わったぁ!なにもかも……!ベルの魔法なんて、魔法とは名ばかりの高笑いとか冷たい微笑みとか、泡がぼんぼん弾けるくらいで――いや、待てよ。


「あるじゃかいか、とびっきりイカれたやつが……!」


 * * *


 俺たちは再び、オメガゴーレムと対峙する。

 岩の巨人というより、鋼の巨兵。その体は鈍い光沢のある金属質で、鎧とロボットの中間みたいな見た目をしている。

 改めて思う、デカい。そしてカッコいい。めっちゃカッコいい。だが、倒さねばならん。


「おい、オメガゴーレム! すまないが、人類の安寧の為にお前を倒す! 大人しく、金属片になるがいい……!」

『グオォ……グオォォォォンッ――!!』


 俺の挑発が効いたのか、はたまた自分の動きを止める厄介な相手と認識されているのか、オメガゴーレムが唸りをあげる。その背後に、コソコソと忍び寄る影。


「言っただろ、デカブツ。お前の弱点は、そのデカさだってな。 今だ、やれぃッ――!」


 俺の号令と共に駆け出したのは、ガレオとマルケス、そしてベルとラヴィ。


「うおぉぉ、【ハードブレイド】!!」

「くらえ、【双連斬】!!」

 ガレオの大剣による重厚な一撃と、マルケスの双剣による怒涛の連撃が右膝裏を――


「いきなさい、【サモン・セバスチャン】!!」

「いざっ……【羅刹】!!」

 ベルの召喚したセバスチャンによる強烈なラッシュ、ラヴィの居合い切りによる神風のような一閃が左膝裏を――


 同時に直撃――!


『グオォッ!?』

 オメガゴーレムは、ガクンッと体勢を崩し巨体がのけ反った。これぞ、名付けて「猛烈膝カックン」だ!


「そしてそのまま、【パライズ】ッ!!」

『ググ……グォグォグォグォ――』


 うわぁ、バグった機械みたいになった!でも、この体勢で動きを止められたら、どうすることも――

 否、それでもなお、巨兵は堕ちず。

 もう少しでブリッジをしそうな状態のまま、ピタリと止まっている。なんで?物理法則とかないの?


「まずいぞ、パライザー! このままでは、弱点の頭まで届かない!」

 クルスが叫ぶ。分かってる、分かってるが!こっからどうしろってんだ!


 バチィッ――


「!?」

 俺の相棒、スタン・ブレイカーが唸った――気がした。それはまるで、「俺がいるだろ?」とでも言いたげに。

 その瞬間、カチリと俺の中で何かがはまった気がした。


「ふふ、そうだな、そうだよな……クルスぅ!俺の雄姿を目に焼き付けるんだな!」

 俺はそう叫ぶと、カシャカシャッとスタンブレイカーを展開。いこうぜ、相棒……!


「【リミット・パライズ】ッ!!」

 

 リミット・パライズ。身体機能を麻痺させ、持てる力以上を強制的に引き出すという荒業だ!

 俺の体の中に電流が走ったような衝撃が走る。でも、不思議と痛くない。むしろ、心が、体が、弾むように軽いッ――!


「おぉ……りゃあッ!」

「速っ――」

 大地を蹴り、高く高く飛び上がる。スタンブレイカーはガリガリとゴーレムの装甲に打ち付けられ、衝撃を溜めて青白く帯電、スパークする。

 さらにオメガゴーレムの体を二、三度蹴ってもっと高く。遂に頭部へと到着した。


「よう、見えてるか? 俺のこと」

『グォグォグォグォ――』

「ははっ、何言ってるか分からん。 唯一分かることは、お前がダウンすることだッ!轟け【超電(ボルティック)撃滅(・インパクト)】!!」


 ドガアァンッ!!と爆音が轟く。

 直後、オメガゴーレムの体がグラリと傾き、天を仰いだまま地面に倒れ込んだ――!

 軋むッ!体がッ!焼けるようだ……!でも――

 いくぞ、このまま決めてやる――いや、決めてやれ、ベル……! 

 

「後は……ワタクシが……!」

 ベルは深く息を吸い込むと、一際大きな魔方陣を展開した――

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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