第13話『女神の失踪と、唐突なワープ祭り』
「よし、今日は何が起きても驚かないぞ!」
カケルは、朝から気合いを入れていた。昨日の温泉で何とか疲れを癒したものの、女神シエルが朝から姿を消している。置き手紙にはこう書かれていた。
> 「少し神界へ戻ります。探さないでください。P.S. ワープ機能はそのまま使えるからね!」
「いや、探してほしくないやつがP.S.とか付けるなよ!」
ぶつぶつ文句を言いながら、カケルは“街の冒険者ギルド”を目指してワープを試す。
「ワープ、“ギルド”!」
そして次の瞬間、カケルの足元が光に包まれる。
---
「…………え?」
着いたのは、ギルドではなく、なぜか“結婚式場”だった。
「新郎様!お待ちしておりました!」
「あ、あなたが“運命の人”だったんですね!」
そこに飛び込んでくるのは、かつてスライム退治で助けたエルフの少女・リアナと、ドレス姿の村娘・エリス、そしてなぜか馬車で登場した獣人の戦士・バルド。
「……あれ?オレ、何かフラグ立ててた?」
---
そして、突然鐘が鳴り響いた瞬間、神殿の天井からシエルが逆さに落ちてきた。
「まにあったー!かける、そんなイベント回避してー!!」
「お前、帰ってきたのはいいけど、何やらかした!?」
「えっと……神界のシステム調整に失敗して、あなたの“ワープ先”が“心の奥で行きたくない場所”になってます!」
「よりによって!?」
---