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【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!  作者: やきいもほくほく
三章 転機の訪れ

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④④


ガブリエーレは頭を掻いて面倒くさそうにしている。

毎日、共にいたメイジーは何となく彼が何を言いたいのかわかるようになった。



「わかったわ。でもわたくしにはまだまだやることがあるのよ。島に返して……!」



メイジーは腕に引っかかっていた網をガブリエーレに突きつける。



『だから……道を繋ぐと言っているだろう?』


「その意味がわからないの! 道って、一体何?」


『これ以上、どう説明しろというんだ』



会話が成り立たずにメイジーは困惑していた。



『詳しい説明は後だ。そろそろ移動するぞ。捕まってろ』


「はい……?」



そう言った瞬間、メイジーの体は浮いてしまう。

するとすぐにグルグルと視界が回っていた。


浮遊感に驚いて瞼を閉じながらガブリエーレを反射的に摑む。


(うえ……気持ち悪い!)


何とも言えない浮遊感にメイジーは歯を食い縛りつつ膝をつく。



『メイジー、早く立て』


「……うっ」



ガブリエーレに腕を引かれながら、メイジーはなんとか立ち上がる。

まるで絶叫アトラクションに乗った後のような感覚。


口元を押さえながら、フラフラしつつ口元を押さえているとガブリエーレの足を踏んでしまう。

周囲がザワザワと騒がしいことにも気づくことなく、まっすぐに歩けずにいると……。



『ほら、捕まってろ』



ガブリエーレがそう言われると、メイジーの体がまた宙に浮いた。

腹部に感じる圧迫感にまた口元を抑える。

ガブリエーレに小脇に抱えられて地面しか見えない。

なんとか上半身を起こそうとしつつ、文句を言うために口を開く。



「ねぇ……せめてお姫様抱っこにしてくれないかしら!?」


『うるさい』


「……っ!」



そのまま運ばれていくのだが、明らかに上質な真っ青な絨毯に銀色の模様。

顔を上げて狭い視界で確認するが、ガブリエーレに深々と頭を下げている従者たち。

しかも数えきれないほどに。

真っ白な壁は傷や汚れ一つなく美しい。


メイジーはここがどこなのかが何となくわかってしまった。


(もうスリーダイト帝国に着いたの? つまりあの島とは近いのかしら)


気持ち悪さなど消えて緊張から体を強張らせていたが、突然体を放り投げられて目を閉じる。

ふわふわなクッションに顔が食い込んだメイジーは悲鳴を上げる。



「ぎゃ……!」


『身なりを整えたら、俺の部屋に連れて来い』


「ちょっと……!」



メイジーが顔を上げて抗議しようとすると、ガブリエーレは人に囲まれて扉の前にいた。



『そいつに手を出すな。手を出したら殺す』


「……!」



メイジーを指差しながらそう言ったガブリエーレはそのまま立ち去ってしまう。

荷物のように投げ捨てられてしまったショックで固まっていると、数人の女性に囲まれている。

髪色がとにかくカラフルで瞳の色も同系色でまとまっている。


先ほどの青年たちと同じだ。

彼女たちは格好からして侍女なのだろうか。

観察するような視線に身構えていると、誰も触れていないのにいきなり体が宙に浮いた。


それからはあっという間だった。

お湯が張られている猫足のバスタブで丁寧に髪や体を洗っていく。


久しぶりに感じる花の甘い香りと心地よさ。

すっかり軋んでボロボロになってしまったホワイトゴールドの髪にも丁寧に梳いている。

日焼けして赤くなった肌にも何かを塗って手入れをしている。


あまりの心地よさに瞼を閉じそうになっては、警戒して開けることを繰り返していた。



「眠っても大丈夫ですよ」



侍女にそう言われたメイジーだが、ここで寝るのはよくないような気がしていた。

連日、網を作るために夜遅くまで起きていたため眠くて仕方がない。

無理が祟ったのかそのまま眠ってしまったのだった。


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