第9話 合同訓練
「ぐおぁぁぁぁぁ」
巨大な化け狸に変貌した茶介は悲鳴を上げている。
「悪いが手加減出来るほど俺は今穏やかじゃない、歯を食いしばれよ化け狸」
桃井は『桃太郎』の原本を取り出した。
「おいおい、俺の事もついでに巻き込もうとしてるだろ」
「巻き込まれたくなければ部下を連れて下がってろ」
「はいはい」
嶽本は特異隊員達を少し離れた場所まで運んだ。
「隊長、桃井隊長一人に任せて大丈夫なんですか」
「おい仁、うちの隊長を舐めてんのか?あの人の実力は席の中でもトップクラスだぞ」
「お前達は桃井のこれから繰り出す技をよく目に焼き付けておくんだぞ、これが席にのみ扱う事の出来る原本の本当の力だ」
『桃太郎』の原本が赤色に激しく輝き始めた。
『原本領域・序章・桃鬼刀』
・桃鬼刀は桃太郎が鬼を全滅させた時に使用していた刀で桃鬼刀には数百の鬼の血が染み込んでいる。刀
吸収されている鬼の血の量によって発動できる技が変化してくる。
桃井が握る桃鬼刀は赤黒い色をしていて禍々しいオーラを放っている。
「お前には元々の鬼血量で十分だ」
『鬼血放出・怒鬼の咆哮』
桃井は両手で刀を握り深くタメを作る。化け狸が桃井に向かって巨大な拳を振りかざす。向かってくる拳に対して桃鬼刀の突きを繰り出した。刀には幻の鬼怒の咆哮が重なって見えた。凄まじい突きが拳を貫き茶介は戦闘不能になった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「これにて一件落着という事で帰るぞ」
「嶽本さん、俺達あの黒子達に手も足も出ませんでした」
「俺達のコンビネーションも何もかもが通用しなかった。でも俺は心に決めたぜ春彦、次は俺達が勝つ。春彦、蘭、強くなろーぜ」
「あぁ」
「うん」
ーーーーーーーーーーーーーー
「桃井隊長に守られてばっかじゃ俺達第五部隊の特異隊員として恥だよな」
「そうね、このままじゃ居られないわね」
「もっと強くなるぞお前ら」
ーーーーーーーーーーーーーー
翌日、東京童話図書機関では席が集められて御伽緊急会議が行われた。
「いや〜久しぶりだな〜席が全員集まるのは!楽しみだなー!」
会議室に一番に姿を現したのは最年少の十五歳にして第四席の座に着いた通称『千年に一人の逸材』早乙女葵。所有原本は『十二支のはじまり』。
「葵はいつ会っても元気だね」
「美咲さんー!お久しぶりです!」
続けて第五席で御伽防衛隊の治療等を専門に行うお母さんの様な存在、千羽美咲。所有原本は『鶴の恩返し』。
そして第七席、嶽本邁。第五席、桃井大和が入室した。
「あら、二人とも仲良くなったのかい!?」
「まさか、未だに嫌われ続けてますよ」
「あっはっはっ!そうかいそうかい」
「千羽さんよしてくださいよ」
会議室には席が徐々に集まり始めていた。




