第3話 黒童
東京童話図書機関・御伽守護隊本部。
「第七部隊の皆さんお疲れ様でした。報告をお願いします」
零室には第零席と第七班のメンバーの姿があった。第七部隊の目の前には少年の容姿をした御伽守護隊第零席・杉浦宗次郎が座っていた。
「呪縛者はこの幻想栞を所持してました」
「最近流行している幻想栞ですか...ん!?」
廊下から徐々に足音の音が大きくなり誰かが近づいてくる。勢いよく扉が開いた。
「さーせん!遅くなりましたー!」
遅刻癖のある仁だった。
「久しぶり!すぎっち!」
「お前は何処まで馬鹿なんだ!遅刻してる上に、0席の事をあだ名で呼ぶな馬鹿!」
晴彦は仁の頭を強く叩いた。
「気にしないでください、仁さんもお疲れ様でした」
「零席に気を使わすな馬鹿」
すると再び部屋の扉が開いた。御伽守護隊・第五席 桃井大和が率いる第五部隊『桃』のメンバーが零室に姿を現す。
「零席、今回の童波も原本所有者ではなく幻想栞を持った呪縛者の童波でした」
桃井は第七部隊の存在に触れずに報告を始めた。
「第五部隊の皆さんは順番も守れないんですかね」
嶽本は桃井の肩に手をかける。桃井は瞬時に手を振り払った。
「お前は第七席じゃない、俺は認めてない。気安く話しかけるな」
「いつまでも影山の事を引きずってんじゃねーよ」
その言葉を聞くと桃井は刀を取り出し嶽本の首元に突き付けた。
「おい!!お前何してんだ!?」
仁が桃井に近づこうとすると第五部隊の特異隊員・猿川蓮が立ち塞がる。
「うちの隊長に文句でもあんのか?」
「そこを退けよ、お前に用はねぇよバカ猿」
花咲仁と猿川蓮は守護隊員時代の同期でありお互いをライバル視している。
「てめーら全員ここが何処か分かってんのか?全員殺すぞ」
第零席・杉浦宗次郎の特異隊員 黒川志乃は声を荒らげた。
「志乃さん女性がそんな乱暴な言葉使っちゃダメですよ」
慌てて杉浦が注意する。
「あっすいません。つい出てしまいました...」
「皆さん同じ御伽守護隊なんですから啀み合うのは辞めましょう」
その場は杉浦のお陰で何とか治められた。
同時刻。郊外の古びた図書館跡地には御伽守護隊・元第六席の黒竹と元第七席の影山の姿があった。
「異能庫から持ち出した、七冊の原本の所有者は全て見つかってます」
「それじゃあ、そろそろ御伽守護隊狩りでも始めようか」
古びた図書館の館長室の椅子には黒竹が座っている。
対面するように影山の姿があり、その背後には7人の人影が見えた。彼らは自らの組織を黒童と名乗った。




