第2話 御伽守護隊
あの事件から二年後。
「御伽守護隊第第七部隊『花』、童波地点に到着」
この二年間で御伽守護隊の組織図は変化した。席の位は変わらず『零席』は御伽守護隊のトップであり、一席〜七席までの原本所有者を軸としてその下には多くの一般守護隊員が居るのがこれまでの構成であったが、大きく変わった事が二つ。
一つ目は原本の研究が進んだ事により、席が所有する原本の力を特異隊員に力の一部を与える事が出来るようになった。それにより席直属の隊員(特異隊員)の地位が新たに加わった。これにより席一名と精鋭の特異隊員で任務に当たることが基本となった。
二つ目は『異能庫』の警備専門の部隊、異能庫守護隊またの名を『影』が設立された。
「隊長!!仁くんがまた遅刻です!!」
「いつも通りで何よりだ」
「嶽本さんは仁に甘すぎるんですよ」
御伽守護隊第七部隊『花』メンバー
第七席 嶽本邁
特異隊員 花咲仁・梅田蘭・藤原春彦
「恐らくと言うか確実に、あの目の前に居る猿の様な見た目の奴が童波の発生源だと思われます」
果樹園の木に登って果物を食べ尽くしている猿の様な見た目の人間がいた。
「あれは完全に原本に支配されちゃってるね」
「さーせん!遅れましたー!!」
第七部隊の特異隊員、花咲仁が遅れて現場に到着した。
「全員揃ったところで、早速回収任務開始と行きますか」
嶽本の前に特異隊員の三人が並ぶ。
「童異共鳴」
童異共鳴は特異隊員にのみ原本の能力の一部を与える事ができる能力。特異隊員の三人は灰の木刀を手に取った。光が木刀を包むとそれぞれ柄に『毒』『薔』『桜』と灰の木刀に紋様が出現した。
呪縛者は果樹園の木を飛び回り果物を怪力で投げつけている。
「私が動きを止めます!!『一章 薔薇の道』」
梅田蘭は灰の木刀『薔』を鞘から抜いた。灰の木刀の鍔から先に刀はついていない。鞘から刀を抜くと大量の灰が宙を舞った。
灰が薔薇の形に変形し呪縛者の行動範囲を制限する。
呪縛者は猿の姿から蟹の姿へと変貌した。薔薇を巨大な鋏で切り裂いていく。
すると呪縛者の周りに胞子が浮かび始めた。
『一章 毒の霧散』
藤原晴彦は灰の木刀『毒』の灰からはトリカブトの花が咲き誇った。
「ぐはぁっ!?」
呪縛者は毒の影響で動きが鈍くなった。
「トリカブトの毒だ、もうお前は動けない」
第七席•嶽本は後ろで三人の戦闘を観察している。
「蘭の『薔』で物理的に動きを封じ、晴彦の『毒』で内側からも動きを封じる。そして最後に...」
動きが封じられた呪縛者の前に仁が立ちはだかる。
「いいか呪縛者!今度からは人様に迷惑かけんなよ!」
灰の木刀『桜』の灰から無数の桜の花弁が仁の周りに舞い上がる。
「これがお前の見る最後の桜だ!『序章 桜吹雪』」
仁の周りに舞い上がった花弁が鋼の様に硬くなり呪縛者の硬い甲羅を突き破り全身に突き刺さった。
「皆腕を上げたね〜」
嶽本は人間の姿に戻った呪縛者に近より、そばに落ちていた栞を手に取った。
「隊長ー!それなんっすか??」
「最近急激に増えた異能器『幻影栞』だ。原本にこの栞を挟む事で一部の能力をコピーする事ができる。そしてこれを相手に持たせると、原本の能力の一部を強制的に使用させる事ができるっていう代物だ』
「じゃあこの人は無理やり力を使わせられたって事ですか!?」
「そうだね〜、何だか嫌な予感がしてきたな」
第七部隊『花』は呪縛者を倒し、『幻想栞』を回収して東京童話図書機関へと戻った。




