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レイナ、合コン?に行ってみた 2

合コン?編 中編です。


「じゃあ、自己紹介しましょうよ。」



リルが話を進めた。 そうだった、まだ全員の名前を知らなかった。


「俺から行くけど、なんかほとんど知ってるから言うのも恥ずかしいな、でも初対面の方もいるので・・・えー、この町の町長をしてるコーリヒトです。

よろしく。

そして、俺の幼馴染で警ら隊のネイト。」

「ネイトです。 コンハート出身だけど少し前にこの町に転勤してきました。

よろしくお願いします。

そして、この町に来て最初に仲良くなった、デューク。

いろいろ教えてくれて、すっごく優しいんだ。」

「初めまして、デュークと言います。 今日は楽しみにしてきました。

どうぞよろしくお願いいたします。」


デュークさんは、警ら隊にしてはとても丁寧で、全身から優しさがにじみ出ている感じ。

「デュークの家は、代々警ら隊で、御父上は警ら隊幹部の方だ。」

!!! デュークさん以外の全員の目がキラリと輝いた。

そういう情報は大切ですね!


「俺も誰か紹介してくれよ~。」

「お前はいいだろう、さっき散々話したし・・・サンノだ。 適当にしてくれ。」

「コーリ、ひどいぜ、そんな紹介!

サンノと申します。 女性の方々、お見知りおきを。」

サンノさんは、そう言いながらお辞儀をしたけど顔はとびきりの笑顔で女性陣を見渡した。


ホント、この人、仕草はカッコいいのにチャラい感じが・・・。

なぜこんなにチャラいのかわからないけど、私の分析によると、この仕草の感じはきっと貴族出身だと思うな。

多分・・・伯爵家で何か飛んでもなことをしちゃって勘当されたって感じ?


「次は、女性陣ですね。

では、私から。 リルマーヤです。 コーリヒト様の妻で、今日の幹事です。

今日は楽しくいきましょう! はい、次のお方~」

「レイナです。 役場の魔石課に勤めています。

今日はよろしくお願いします。」

「ルミナです。 役場の受付をしています。 ちょっと緊張しています。

よろしくお願いします。」

「リエナです。 役場の住民課にいます。

こういうのは初めてなので、今日は楽しみにしてきました。」


「「「ほぅ~」」」 警ら隊の三人が声を出して、拍手をしてくれた。



料理も運ばれてきて、リルとルミナが取り分けてくれた。

私とリエナは、取り分けてくれた料理を渡す係。 私たちって意気がピッタリだわ。


そのあと何となく、四人ずつにわかれた。

私は隣に座っているリルと、向かいの町長とサンノさんと話をし始めた。

リルが男性二人の子供のころのことを聞きたがり、二人が楽しく話し出す。

町長、サンノさんのこと、さっきは気が乗らない感じだったけど、今は楽しそうだし、すごく仲がよさそう。


さっきのネイトさんもよかったけど、町長とサンノさんの組み合わせもいいわぁ。

そこにリルも加わって、あぁ、スゴく神々しい!

この三人を見れただけでも今日は来たかいがあるよ。

なんて思っていたら、こっちに話を振られた。


「それで、レイナちゃんはこの町の生まれなの?」 サンノさんが聞いてきた。

「え、あ、はい、そうです。 生まれも育ちもフィアンティです。」

「レイナの家は、商家なんですって。」

「それも、フィアンティの三大商家の内の一つ、シアーズ家なんだぜ。」

「へぇ~、レイナちゃん、お嬢様じゃん!」

「いえいえ、その末っ子なので、自由にさせてもらってますから。」


ヴォルグ家と、推測男爵家のご令嬢と、憶測伯爵家の勘当息子には足元にも及びませんから!

そんな風に楽しく話をして打ち解けてきたころ、リルが突然立って言い始めた。


「えー、皆さん、だんだん話も盛り上がってきたようで、この辺りでもっと仲良くなるためにゲームをしたいと思います。

その名も “王様ゲーム”!」


「「「「「「王様ゲーム???」」」」」」


「王様ゲームとは、ここに持ってきたコルクの栓を引いてもらって、誰にも見せないように手の中に持っていてください。

そのあと、自分しか見えないようにコルクを確認してください。

コルクには、王様と、二番から八番までの番号が書いてあります。

王様は、下々に命令を出すことができます。

命令は、今日は皆さん初対面ですし、この場の雰囲気に合ったものをお願いしますね。

では手始めに、私が王様になりますので、皆さん、コルクを引いてください。」


えー、こんな余興があるの?

リル、本当に感心するわぁ。

ゲームは初めてやるからどんなふうになるかわからないけど、ちょっと面白そう。

一人ずつ袋に入っているコルクの栓を引いた。


「皆さん、コルクの栓を取りましたね。

では・・・八番の人が五番の人の頭をなでる!」


「「「「「「えー」」」」」」


「おい、何番だよ。」 「私は何番を引いたの?」

みんな、焦ってコルクの番号を確認する。

あー、私は三番だった。 よかった。


「俺、八番です。」 そう言って手を上げたのはデュークさん。

「きゃー、私、五番だよ。」 そう言ったのはリエナ! 最初から当たっちゃったのか。


「では、デュークさんが、リエナの頭をなでてあげてください!」

リエナは、される前からもう顔が真っ赤だ。

「で、では、失礼いたします。」


ちょうどリエナの向かいに座っていたデュークさんが、リエナの頭を撫でた。


「あ・・・」 デュークさんはそう言って椅子から転げ落ちた!

「おい、デューク! 大丈夫か?」 落ちたデュークさんに話しかけるネイトさん。

「だ、ダメかも・・・」 床に座ったデュークさんは、ダメと言いながらも顔は嬉しそう。

リエナは、顔を両手で覆っているけど、耳まで真っ赤だった。


人のやってることを見るのはすごく楽しいけど、これが自分だったらちょっと耐えられないかも・・・。

恐るべしリル・・・。


「ふふふ、リエナ、めっちゃ可愛い!

と、こんな風にやっていきましょう!」


リル、すごくノリがいいんだけど・・・お酒が入ると弾けるタイプなのかな。

町長はリルの様子、どう思っているんだろう。


「町長、このゲーム、リルが考えたんですか? 町長はこんなゲームって知っていたんですか?」

「え、ああ、マーヤが絶対楽しいからって。

この合コン?を行うにしても、お店を探して、交渉しているのも知ってるし、どうすればみんなが打ち解けて楽しく過ごせるかっていろいろ悩んでいたのも見ているし、このゲームも先に相談されてちゃんと説明してもらったし、まぁ酒の席だし、そういうことを見ていると応援したくなるじゃん。

でも、ヤバいと思ったときは止めに入るからって言っておいたよ。」


リルもちゃんと町長に相談していたんだ。

それにお店やお料理の手配とか、楽しくやろうって考えてくれたんだな。


町長もリルのことわかってあげているみたいだし・・・すごくいい二人じゃん。



読んでくださり、ありがとうございます。

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