魔法から始まる異世界転生
僕の名前はタナー・ボッター!
業界ではそれなりに名前の知られた魔法使いだ。
魔法の才能なんてものは、ほとんどが先天的に決まっている。両親からの遺伝による親ガチャだ。
勿論、後天的な努力も必要だ。
友人のハチミツスキーは、その勤勉さで才能不足を十二分にカバーしている。
まったく素晴らしい限りなのだが、それでもボスの壁は越えられない。
主人公は産まれた時から決まっているのさ。選ばれた男は辛いよね?
あの厳しく辛い最大の闘いから、早くも15年以上が過ぎている。それにもかかわらず、この世界に争いの種は尽きていない。
いつかこの日常を笑いながら懐かしむ時が来ることを切に願う。
「フーリガン!」
闘いの中に閃光の呪文が拡がる。
あれ?何か違和感が!?
『呪文の光ではありません。』
「???」
光の中から少女のような声が聴こえる。
『貴方を異世界へ転生します。』
「???」
ここは?まさか?あの学園?・・・なのか?
目の前には、懐かしい大広間の重厚感ある扉が開かれるのを待っていた。
覚えているぞ!
其処は組分け儀式をはじめとして、祝宴、ダンスパーティ、魔法対決など数々の行事が行われた場所だ。
伝統的な英国建築をベースにキャンドル達が宙に浮かぶ天井は圧巻だ。
各寮生の制服や教師達の衣装も懐かしい。
エイジング加工されたテーブルには食器までもが並んでいる。
ここだけではない!?
嬉しい事に秘密のホームや特急列車までもが待ち構えていた。これは、手押しカートを持って記念撮影をしないといけないやつだ!
ここでの見所は尽きないが、聞くところによると他所ではネズミの支配する国もあるらしい。
僕の物語はまだまだ終わらないようだ。
大阪にもありますね。




