知識チートから始まる異国転生
SNSには不満の呟きが絶えない。
「もう死にたい!」
「人生をやり直したい!」
「生まれ変わりたい!」
私達は不幸なだけだ。
親ガチャに恵まれなかった、
スタートで躓いた、
うつ病になった、
・・・・
今の知識を持ったままで、もう一度人生をやり直す事が出来るのならば、スタートダッシュさえしてしまえば、今よりマシな人生になるに違いない!
きっとみんなだってそう思っているよね??
・・・
『良いでしょう。その望みを叶えます。』
光の中から誰かがしゃべった。
『あなた方を隣の国へと転生します。』
「???」
隣の国と聞いた時には焦ったけれど、北の方の隣ではなくて本当に助かったよ!安堵と共に一気に緊張が弛んだ。
この国で裕福なのは、ほんの一握りの勝ち組だ。努力家の両親も類に漏れず半地下の生活を余儀なくされている。
それでも両親は私のために無理をして、全力でサポートをしてくれる。本当に良い両親だ。
でも重いよ。
ありがたいけど、そこそこで行こうよ?
この国では私立小学校を目指すのが当たり前だ。しかも試験はなく抽選だというから驚きだ。
幸運にも抽選に当たった時には両親が狂喜し、泣きながらお祝いをしてくれた。
正直、かなり引いた。
その後の面接で落とされた時は、この世の終わりみたいな顔をしていたけどね。
子供の面接だと思って侮っていたのだけれど、この国の子供を舐めてたよ。人生経験がトータルで25年以上の自分より、遥かにものを知っているし、本当にしっかりとしている。
日本の馬鹿やってる小学生に教えてあげたい位だ。
中学校、高校に入学試験はなかった。
(超エリートはのぞく)
けれども甘いという話ではない。
大学進学率は95%以上なので進学しないという選択肢が人生には無い。
努力して大学に入れても軍役が待っている。
就職するためには英語も出来て当たり前。TOEICは最低でも850点以上無いと門前払いだ。韓国語は勿論、日本語なんて今時役には立たない。
放課後に遊ぶなんてもっての外。
誰もが小学生から真剣に塾通いをする。
日本のあの生活は本当にヌルゲーだったのだと、今の自分になら身に染みてわかる。
隣の芝は青く見えますね。




