修行から始まる異世界転生(2)
・・・
体術、武術とも、力に頼らない柔の技
相手の力を利用するカウンター。
螺旋に練り上げる点の力。
身体づくりにあわせ、過去の知識に基づいた技を披露すると、いよいよ私は神童扱いをされた。
私は手順も理論も理解していた積もりだった。
だが、この世界に来てわかったが、可能性にはまだまだ続きがあったようだ。この事については素直に神に感謝しよう。
・・・
ここでの業も修めた私は、今の自分の力を試して見たくなり、ついに山を降りた。
あらゆる体術、あらゆる武器、それらは全て私の前では無力となる。
予想はしていたが、火薬を使った鉄砲もどきもあった。私の他にも転生者がいるのだろう。良い使い方をしていないようだが。所詮道具は使う人次第ということだ。
達人の豪弓相手に比べれば、素人の飛び道具なんて、先読みしなくたって避けられる。逆に素人の動きは不正確過ぎて読みにくかったりするので予想が難しい。スポーツと同じだ。
・・・
魔王との闘いは怖くない。
怖いのは人間の心だ。魔物とは人間の心に巣食う闇の事だ。次に来る転生者が、またその次が善人とは限らない。
悪意が火薬位では済むのなら可愛いものだ。生憎、私はそこまで楽観的ではない。私の修行はまだまだ実践に入ったばかりということだ。
動きや思考を読むのではなく、誘導するのが得意です。五手位で型にはめるパターンが多いです。後は読みきったフォームにタイミングを合わせるだけ。気付いてからでは防げない。対人競技やゲームでは当たり前のテクです。




