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神社から始まる異世界転生(2)
広大な敷地の中には樹齢千年を越える楠が御神木としてそびえ立っていた。古くから超越した生命力を有する木と信じられ、「不老長寿」「無病息災」の象徴とされてるんだって。
家は結構、厳しくて幼いうちから勉強ばかりさせられた。礼儀作法にはじまり、お掃除の仕方、歴史に、神楽、やることはホントにいっぱいあった。
神職の資格試験があると聞いたときにはビックリしたよ。
・・・
そしてその時がついに来た。
「今こそ貴女の力で、その悪しきものを封印するのです!」
私は教えられた通りに祝詞を唱えた。
「神様、HELP!!」
これで聖なる力が発動されるはずだ。
はずだったのに、何も起きない!?
辛く厳しい修行の日々が頭に浮かぶ、
「巫女は神様に仕える大事なお仕事で、身も心も清らかな・・・」
清らかな乙女の印では無いようです。