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東大から始まる異世界転生(1)
僕の名前は山田太郎。
ごく普通のサラリーマンの家に産まれ、ごく普通に育った、ごく普通の大学生だ。
ただ一つ人に自慢できる事と言えば、この国で一番とされる大学の試験に合格をした事だ。
通学には片道2時間程かかるけど、自宅から通学できる事には恵まれている方だと感謝している。
まだ日の出からそんなにたっていないはずだけど、今朝は朝日が一段と眩しい。
『朝日ではありません。』
光の中から誰かがしゃべった。
『貴方を異世界に転生します。』
「!?」
これって強制拉致だよね。
僕は普通の生活がしたいだけなのに。
下手なことを言って神罰でも食らったら嫌だなあ、と思いつつも、不満が心をよぎる。
産まれた家は王都に程近い中規模の街の一般家庭のようだった。
質素なところがなんだか落ち着く。
現代の日本に産まれた事って、もの凄いチートだと思います。