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神社から始まる異世界転生(1)
私の名前は可愛珠千枝。花も恥じらう女子高生。
こんどの年末年始も神社のお手伝いで、巫女服に包まれてる。白衣、緋袴が着れてちょっぴり嬉しい。
巫女は神様に仕える大事なお仕事で、身も心も清らかな、なんて事は当然なくて、"繁忙期の神社のお手伝い"はみんな只のバイトなんだ。
ホンモノの巫女は神社では神職の補佐するみたいな?神楽や舞を舞って神様に奉納するんだって。
結構、人手があるから境内は熱気に包まれてるけど、冬の夜は冷えるから、いつも篝火を炊いてるよ。
鉄製の籠の中で大きめの薪が燃え、炎がゆらゆら揺れているのが何だか幻想的なんだ。
『炎ではありません。』
篝火の中から誰かがしゃべった。
『貴方を異世界に転生します。』
「!?」
・・・
生まれた家は大きな神社だった。この世界ではあたし、神職の娘なんだって!一族は代々、この社で神様にお仕えするのが使命みたいな?
緋袴は未婚女性の印だそうです。