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コートの中から始まる異世界転生
「バレーがしたいです。安産先生。」
私のあだ名は"赤いミサイル"。
実業団でバレーボールをしている。事業所内に専用の体育館や、宣伝用にカラーリングされたバスまで用意して貰っている。
モデル顔負けの身長に、シャープなルックス、鍛え方体はポスターや雑誌の表紙になっているので、知っている人も多いだろう。
あだ名となっている強烈なスパイクの他にも、鉄壁のブロックも私の持ち味だ。
今日も取材のフラッシュが眩しい。
『フラッシュではありません。』
光の中から誰かがしゃべった。
『貴方を異世界に転生します。』
「!?」
・・・
冒険者組合という所で私はスカウトされた。私の能力なら当然の事だろう。
「壁役、もとい盾役をやって欲しいんだ。」
か弱くはないけど、乙女を盾にするなんて、どうなの?
「バレーがしたいです。安産先生。」
バレーが好きだと叫びたい!?