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英会話から始まる異世界転生(2)
『アイドルではありません。』
ホログラムがしゃべります。
『貴方を異世界に転生します。』
「!?」
・・・
転生した先は深い森でした。
集落の中心には天にまで届きそうな大きな木がそびえ立っています。そこには精霊使いと呼ばれる人達がいて、幼い子供達に教育を行っていました。
「精霊の力を借りるためには、精霊と意識を通じ合わせる必要があります。」
教師の一人が教えてくれます。日常会話に文法、言い回し、ビジネスワード・・・。これって語学?
「一生のうち、一つの精霊と契約出来る者さえ、希なのに・・・。」
「わずか数年で四大精霊を含む、複数精霊と契約してしまうとは!?」
調子にのったら駄目だ。こんなの不景気を経験した現代人なら、就職活動とかで当たり前にやっている事だよね。
今日も私は新しい言語で異世界ABCの歌を口ずさむ♪
簡単なコミュニケーションなら、言葉は必要無いかも知れません。ボディランゲージも必要ありません。ヨーロッパのマダムは視線一つで話しかけてきます。