パラサイトシングルから始まる異世界転生(2)
産まれた場所は海の都だった。
王都ではないが、地方の都市の栄えた都。
湘南ガールってところかしら。
産まれた家は貴族ではないが、そこそこ裕福な家庭らしい。ろくに働かなくても美味しいご飯が食べ放題。
でもどうして?
どうして神様は私をお姫様にしなかったのだろうか??そこがちょっとひっかかる。
取り敢えず状況を把握した私は、スタートダッシュを決めるべく行動に移した。
5歳
魔法が使えないか色々試したけれど、遂に挫折。
才能(親からの遺伝)が無いと使えないらしい。
冒険は面倒臭いから内政チートを目指したいけれど、鑑定もアイテムボックスも使えない・・・
取り敢えず今日のおやつを食べてから、また考えよう。
8歳
成り上がりには早々に見切りをつける。勇者とか人助けには興味がないし。切り替えの早さが私の取り柄♪
この世界では流石に無職とはいかないだろう。取り敢えず何か職を探すか。
10歳
家のお手伝いをしながら、母友の井戸端会議に参加しているうちに耳年増の隠れ称号が付いたよ。私ってこの歳で二つ名持ち!?
13歳
計算が出来たので、近所の雑貨屋という名前の何でも屋でお店番。
この世界では掛け算出来る人もろくにいないので、色々と出来ちゃう。
16歳
食堂兼飲み屋で看板娘デビュー!
常連客と会話がはずんで、私ってばかなりの人気者!?お気にのパーティーメンバに混じって話し込んでいたら、お局様に「給仕しろ」って怒られた。自分が呼ばれないからって、ひがみってやーね。
20歳
「私、悪くないもん!」
お店の若い子の躾がなっていなかったので、善意で教育して上げたのに。
どうして私の方がクビになるの?
23歳
お店を転々としながら看板娘を続けていたけれど、オーナーとの方向性の不一致が止まらない。
みんなが最後には「客でも取れ!」、って言うのだけれど流行りのジョークなのかしら。
いい加減、パシリの女子高生、もとい子分達を仕切って自分のお店でも出そうかしら。
25歳
「いいかげん嫁に行け!」と言われた。
お相手は裕福らしいけど、只の商家かあ。私は大人だから白馬に乗った王子様なんて望みはしないけれど、顔次第かな。私は現実的なのだ。
・・・凄いのがやって来た。
チビ、デブ、ハゲの3拍子。「40台、後妻、お似合い・・・」、色々言っていたけど覚えていない。聞きたくないことは得意のスルースキルでなかった事にしよう。
さあ、明日からも異世界でパラサイトシングルを謳歌するぞ!
「日本国の負債金額は大きいけれど、貯蓄で相殺出来る。」なんて考えも有りますが、親の貯蓄をできの悪い子供達が食い潰すと、貯蓄は消えて負債だけが残ります。