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四天王(3)から始まる異世界転生
僕の名前は小川光國。色白で細面のサラリーマンだ。眠そうな目も相まってヤギに似ていると言われるので白い髭が似合いそうだ。
僕は過去に過労で倒れた際に、ドクターストップを貰っている。この印籠は強力だ。この印籠があり限り誰も僕には仕事を振ることが許されない!
僕は今でも定期的に産業医の面談を受けている。産業医にとっては僕の事なんて他人事だし、やる気もないので、消化試合だ。「お変わりありませんね?」の後は雑談をして終了だ。
僕に仕事をさせるためには、産業医の許可がいる。
産業医も責任問題になると嫌なので、無理に制限解除をしようとはしない。勿論、そんなことは僕が許さないが。
・・・
『貴方を異世界に転生します。』
「産業医の許可を貰って出直して来てください。」
この安寧を乱すものは、誰であろうと許さない。寝言は寝てから言って欲しい。
窓際族という言葉があります。(出来ないのに)仕事をさせて欲しいなんて、ありがた迷惑なことを言う人もいるようですが、仕事しなくてもお給料が貰えるなんて、羨ましいと思いませんか?




