パラサイトシングルから始まる異世界転生(1)
私の名前は横須賀幸恵。35歳の派遣社員よ。
不景気でブラックな会社も多い中、お気楽にやっていけるのは、私の普段からの行いが良いからに決まっている。
まあ、仕事なんてものは、嫌ならすぐに辞めれば良いのだし♪パンがなければケーキを食べれば良いだっけ?パラサイトシングルの何が悪いの?本当にひがみってやーね。
今日も○MRONの体重計が体内年齢28歳を表示している。三十路を越えても私は女子。実年齢よりずっと若いのだ。
横須賀の海岸から都内へは長い電車通勤。ラッシュが嫌なので、早朝の座れる時間に出社し、仕事机で趣味にいそしんでいる。もちろん始業時間になっても、おしゃべりやネットが優先。仕事より遊びが大事、それが私のモットーだ。
私の影響力はちょっと大きい。
前に大きな地震があって電車が止まった時、私が声を大にしてアピールしたお陰で、大多数の人を徒歩帰宅させる事に成功したのだ。
ニュースでは緊急車両がどうとか言っていたけど、明日はお休みなのに会社になんていたくない。このお祭りを見逃すなんて出来ないし、この興奮をみんなで分かち合いたい。
「今日も朝日が眩しいわ。」
『朝日ではありません。』
光の中から誰かがしゃべった。
『貴方を異世界に転生します。』
「ついに私の時代?やっぱり日頃の行いが良いからね」
フィクションではありますが、偏見ではなく、テレビのインタビューとか現実のエピソードが基だったりします。