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ブラックホールから始まる異世界転生(2)
僕は慎重に観測をする。
太陽位置、月の位置、星座の位置、物理法則。
ここはもしかして遠い未来の地球なのだろうか。
街並みは中世のヨーロッパを彷彿とさせる。
特に期待はしていなかったが、剣はともかく魔法は存在しなかった。
だが僕には魔法という科学がある。
この世界を豊かにするため、全力を尽くそう。
石鹸の作り方
薬の作り方
鉄器の作り方
蒸気機関の作り方
電気の作り方
通信機の作り方
飛行機の作り方
・・・
まだまだやることはいっぱいある。
・・・
遂にこの時が来てしまったか。薄々、感じてはいた。でも僕には止めることが出来なかった。それが科学者としての僕の矜持だ。
やはりこの世界の禁忌に触れるものがあったのだろう。今まさに教会に呼び出され、火炙りになりそうになっています。
「お願い!誰か僕を助けて!!」
宗教が間違いを起こすことは、歴史が証明しています。大事なのは教えではなく、生かし方なのかもしれません。