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異世界に行ったら世界のすべてが所有物だった!  作者: カビ封じ
プロローグ
3/10

二話 真っ裸、大地に立つ!

文章を変えました。


 

 さっきから不思議に思うことがあるんだけど……

 何故か下に居る住民たちが私を見ながら立ち止まっているんですが、なんでだろう?


 まあ、さっきまで私が居た場所はもしかしなくても神殿とか、そういう類の場所だったのだろうと想像はつくから、見知らぬ女が神殿から降りてきたらみんな不思議に思うのは普通か……


 今更だけど凄い重要な事を今まで忘れていた。

 私、服を着ていない真っ裸な状態だよね?


 あれかな?

 みんな神聖な神殿から見知らぬ真っ裸の痴女が出てきて「なんだお前!おでら達の神聖な神殿でなにしよってたんだ!?」的な視線なのかな?

 

 すまぬ、街の人たち。

 目が覚めたらあそこに居ただけなのだよ。



 

 街の人たちの視線を無視して長ーい階段を下りきった。

 さて、これからどうしたらいいんだろう?


 ふーむ。

 右を見るが、おっさんや若いおねーさんが私を見ている。

 左を見ても、おじさんとちびっこ達が、変わらず私を見ている。

 皆私を見つめている。


 住民たちが私を見ながら止まっているので、仕方なくここに住む住人の服でも観察しよう。

 と言っても、みんな似たり寄ったりの服だなー。

 この世界の住人は皆リネンの布で出来た服を着るの?

 私的に何より一番気になるのは、皆が皆、着ている服がデザイン的にすっごい簡素な事かな。

 いやー、流石にあんなダッサイ服は御免だなー。

 




 それなりに長い時間、ここの住人の服を眺めていら、突然後ろの方が騒がしくなった。

 何だろう?と思っていたら、後ろから鎧を着た兵士と、それなりに身なりの良い服の男性が私の前にやっくる。

 それなりに身なりが良いと言っても、街の住人達の様なリネンの布で作られた簡素な服と比べたら、まあ身なりが良いよね?というレベルの服で、材質は多分ウールだと思う。


 鎧を着た兵士たちは、何故か住民から私を守る様に隊列を組み、住民たちを警戒している。

 状況が今一分からないのだけど……誰か説明プリーズ?

 そんな私はお構いなしに、身なりの良い男性は私の前に跪く。

 

「お迎えに上がりました、支配主様」


 支配主様とは一体何ぞや?という私の様子を察してか、男性は私の手を取りエスコートしながら

 

「創造主様より話は承っております。馬車の中でお話いたしましょう」

 

 と私を馬車へ連れていく。


 えーと、このまま連れていかれても大丈夫だよね……?

 何かされたりしないよね?


 私の心配を他所に、身なりの良い男性は私の手を引きながら馬車に向かうのだった。




 


 



 



 馬車に揺られながら私は、身なりの良い服を着た男性の話を聞いている。

 最初は言葉が通じるか不安だったが、何故か相手の言語を理解する事ができた。

 

「大体の状況は理解できましたが……なんとまあ……」

 

 最初は馬車に乗せられ何をされるかとヒヤヒヤしていたが、何かされる事は無かったよ。

 彼は馬車の中で世界の事や私の事を教えてくれた。

 

 まず、彼は世界帝国の高官だと名乗り、世界帝国について語り始めた。

 彼曰く、この世界には様々な国が存在するが、世界中の大国から小国まで、全ての国を隷属させている国家が存在する。

 それが『世界帝国』と呼ばれる、この世界の全てを掌握して支配する世界統一国家だ。


 普通に考えれば、世界の全ての国を属国にさせるなど不可能だと思うのだが、この世界では不可能じゃないらしい。

 高官の彼曰く、世界帝国は創造神の命で人類が作ったそうだ。


 この世界の神話では、創造神は神の子が遊ぶ玩具として、この世界を創造したと伝えられている。

 自身が作り上げた世界の住人達に対して「支配主の為にこの世界を作った。お前達は支配主に全てを捧げよ」と言い放ったという。

 創造神はこの世界の住人の前で、支配主の為の家を作れと命令し、人類はそれを了承した。

 人類の中から支配主の家の管理人として選ばれた人が、国を作り、それが世界帝国となっていったそうだ。

 

 そんな創造神の命で作られた世界帝国は、正に神に守られた国家だ。

 何処かの国が攻め入れば、侵攻した国は必ず大災害を被り、世界帝国に逆らう国も必ず大災害に遭う。

 いつしか世界帝国に逆らう国は居なくなり、世界一の発展と覇権を握る国家になっいた。


 この発展具合で世界一の発展した国らしい。

 まじか。


 一応、何故私が支配主だと分かるのかと聞いたところ、私の髪と瞳の色でもわかるが、何より本能で察するそうだ。

 一目見ただけで「逆らってはならない」と、本能が訴えかけてくるらしい。

 

「ところで、この馬車はどちらに向かっているのですか?」


 一通りの事を聞いた私は、高官の彼に馬車の行き先を聞く。

 

「王都の白銀邸でございます。」

「白銀邸?」


 白銀邸とは何ぞやと思い質問すると、彼は身なりを整えてから言葉を出した。


「支配主様の為にご用意致した、宮殿でございます」


 そして、こう付け足す。


「この国の、最大の存在価値であり、存在理由です」



 

 

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