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ー第7幕ー
確かにギリーの言う通り、ここのところのトリノもといトリスは何かがおかしかった。西域を根城にしていたコロンソ・ファミリーが西域を手放してトリノのハローズパーティと抗争を始めているというし、そのタイミングでキリアンからバークレー元国王の10年追悼式を提案されるという事態……
額に手を当てて深く考えるラッセル、彼は馬車に乗って傘下組織の長たちとの会談に向かった。しかし馬車に乗って間もなく馬車は何者かの襲撃を受けて転倒した。負傷したラッセルだったが、拳銃を構えて馬車の外へと飛び出した。しかしその刹那、何者かの強烈な蹴りをその背後にくらって激しい痛みに喘いだ。
彼が顔をあげると、そこには銃を構えて煙草を吹かしたラボルがいた。
「よぉ、親分。ご機嫌麗しいか?」
「コロンソ、てめぇ……」
「コロンソてめぇじゃないだろう? コロンソ様だ!! オラァ!!」
コロンソはその蹴りを今度はラッセルの顔面に繰り出した――




