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嗚呼!!なんて素敵な女神様!!  作者: いでっち51号
第4章~The end and beginnings of an era~
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ー第8幕ー

 バグラーン戦役終結より1か月後、トリスの国家新体制が発表されるなかで、デュオン城に6名の客人が呼ばれた。その応接間へイザベルとアヴェーヌの2人が向かっていた。



「いいのか? 直接の繋がりはなくても、ソヤツらは其方の……」

「アヴェーヌ様は許可をだしてくださいまし。神と男に二言は不必要ですわ」

「そうか。神にもそのような契約が言い渡されるなど、世知辛い世の中じゃ」

「もう着きましたわ。私の警護もお願いしましてよ?」



 イザベルがドアを開けるとそこには貴族らしい6人の老若男女が座って食事をしていた。彼らには特上級の御馳走が用意されており、とても愉快な時間をこれまで過ごしていたようだ。しかしドアを開けたイザベルにその一行はすぐ反応をした。



「おお! 大きく美しくなったな! イザベルよ!」

「とっても素敵な美人になったじゃない! お隣の御方が仲良しの女神様?」

「でも幼い時の名残が残るよ。ほら、あの金髪のくせ毛、懐かしいなぁ。ほら、思い出して。小さい時によく遊んだヘイド兄さんだよ?」



 イザベルは1人1人の声かけに反応はせず、お辞儀をして挨拶をした。彼女は大きな物をスカーフに隠して両手で持っていた。どこか火薬の匂いがする品物であったが、誰もそれを怪しむ者はいなかった。



「そのままで結構ですわ。ゆっくりとお食事を続けてくださいまし。挨拶遅れましたが、私がデュオン公国の最高国家顧問を務めますイザベル・ラベルスです。こちら横がデュオン公国の女神になられますアヴェーヌ・シンドゥ様になります。女神故、一般世間の方々にはお目にかかれないようにしていますの。今ここで彼女を目にするのはさぞ有意義なことになるでしょうね」



 そう言うと彼女はスカーフをとり、その手に持つマシンガンを露わにした。



「冥土の土産として」



 彼女はそう言うとマシンガンを乱射し、その場に居合わせたラベルス家全員を抹殺した。




 鮮血に濡れたイザベルを眺めながらもアヴェーヌは語り掛けた。



「其方、泣いておるのか?」

「………………」



 イザベルは何も答えない。アヴェーヌは話を続けた。



「妾は神と言っても其方の契約ありきの創造物じゃ。言うなれば其方の生き片身、其方の鏡であるとも言えよう。其方が嬉しいのなら妾も嬉しい。其方が悲しいのなら妾も悲しい。そして其方が死ぬのであれば妾もこの存在を消す。どうかそれを忘れないでくれ。妾は先に外に出て待っているからな」



 アヴェーヌは先に部屋を出ていった。



 彼女が部屋を出て間もなく、イザベルはマシンガンと共に膝から崩れ落ちた。その眼帯もマシンガンの衝撃ではずれ、彼女の両眼からは溢れる涙が零れ落ちていくばかりだった――























































 バグラーン戦役から10年の年月が過ぎた。トリスはギリー国王を中心としたトリノ東域とキリアン女王を中心としたアヴェーヌ西域に国の首都を二分割して世を形成していた。東域にはギリーと血の契約を結んだアソー。西域には今も変わらずイザベルと契約を結んだままのアヴェーヌが女神として君臨。



 デュオン城の王室にてギリーとアソーそして何人かの閣僚が集まって御前会議を開いていた。



「今日は大事な話になるぞ。真の国家樹立をかけた話だ」



 ギリーの眼はぎらついて参席者の眼を捉えて離さなかった。

 


 ~第4章終わり~



∀・)第4章終わりまで、お付き合いいただきありがとうございました!イザベルの涙、すごく深い意味があるのだと作者自身思っております。さて、何やらギリー達が話をしているようです(笑)今後の展開、乞おうご期待ください☆

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