ーEpisodeー
∀・)第2章開幕!!バラグーンの野郎どもの話だゴラァ!!
トリス西域、革命の聖域ともされているバラグーンの首都ハリストン、その繁華街は夜ともなれば色鮮やかなネオンが光り輝く。人間の金と欲望が行き交う街、その街の中心にあるカジノでカテリーナ寺院最高高僧ハシム・ダリルは高級ワインを片手に賭博にのめり込んでいた。
ハシムの一喜一憂する声がVIPルームに響きわたる中、その背後にそっと忍び寄る影があった。ハシムは振り返るとその背後に現れた人物を確認した。バラグーン軍大将にしてバラグーン国最高参謀のマルシエ・セシルであった。マルシエの後ろにはさらに3人の軍人が控えていたが、うかれているハシムは何も察知しなかった。
「ほっほっ! マルシエ殿、これは、これは。貴殿も参戦をされますかな?」
「ハシム、貴様にはこれより多くのことを訊ねなければならん。連れていけ」
「はっ!」
「ぬぁ!? な、何をなさいますか!? わあああっ!!」
ハシム一行は稼ぎあげたチップを置き去りにしたまま、バラグーン収監所へと連行された。ハックマン中将の殺害容疑及びその計画立案の容疑をかけられてだ。これより終戦に至るまで彼ら一同が目に余る拷問を受けることとなるが、それを彼らが知る由などなかった。
戦争の火蓋は切って落とされた。トリスの民衆にはデュオン公国陥落に胸を高める者もいれば、不安になって夜も寝過ごせない不安を抱える者もいた。その誰しもがその先にある未来を予測できてなどいなかった――




