仮想と現実 2日目 実力
「んん」
起きれば、また変わらない白い世界。
まだ相手も来ていない、いやそもそも今回は出さないのがクリアなのかもしれない。
何もない世界と言うものは精神衛生上良くないものなので、スキルバーやらなにやらをだし。レベルによるスキル購入を行う。それが終われば回復量でまかなえる程度の何かを行い、代わり映えのない世界を変えていく。
「それが、精神安定剤なのかい?」
昨日やられた女性が出てくる。
「反省はできましたか?」
「君、感情が表に出ると口調が荒っぽくなるよね。それが素なのかな」
「そうですけど、それでなんのようなんだ」
喧嘩を売りに来たのなら買ってやる。それ以外の目的ならとりあえず殴ってから考える。
「なにって二日目の試練だよ。まぁ前回ので普通にやっても勝てないのがわかったので、今回は君の強さの測定にいかせてもらうわ」
「おい、スカイアースだぞ」「嘘、まじ」「写真とっとこ」
周辺には大量に人……いやがやでてくる。
「今回は観客の前で戦ってもらうわ、勿論記録も残しておくし。【公開もするわ】そこで集団で研究させてもらおうかしら」
「まともに戦うと思ってるの」
「安心して【多分本気になると思うから】細工はあるから存分に楽しんで言ってね」
「まずは、ゲームの内容だ」
……
準備時間が30分、その後戦闘に入り、出てきたモンスターを倒すか、がやが止めるまでは戦闘。数は最高で5。他の条件はなし。
「舐めてる」
「最大限の【敬意を払って】練ってきたわ。あぁ、一応言っておくけど【妨害はするわよ、あの手この手でね】」
「その勝てもしないプレイヤーでか」
「そこらへんは後のお楽しみってことで」
……何か様子が変だ。何かが引っかかる。何処だ、観客か?条件無しか?それともあいつの反応か?
打てる手は三種ある。
1.情報を秘匿に徹し、強制敗退を繰り返す。
2.ある程度情報を与え、切り札だけは伏せる。
3.全情報投げて、対策してもらう。
以上の三つだ。この中で1はいやな予感がする。時間をかけることは良いが今回は、情報の与え方が不味い気がする。何か仕掛けがある。前日のあれをやる奴がこっちで何も仕掛けないわけがない。
2は2で困った事になる。切り札は伏せても問題ないが、恐らく伏せてることはバレル。そこで相手が結局何かしでかしたら意味はない。
となると3になるのだが、……AIをどう扱うだなぁ
「・ぇ」
流石に前日に一瞬あれ使ったとはいえ、本気で流用しようと思えばそれはそれで【ゲームの根幹を壊すことになるわけで】
「ねぇ、・・え・る」
でもなぁ、ここで一発入れといたほうが後が楽になりそうにも。
「おい、・僧」
だとしても、アレは刺激が強すぎるしなぁ。ここは本人に聞いてみるか。怒りも考えてたら収まったし。
「なぁ」
「なによ」
なに怒ってんだ、こいつ。
「こっち、運営から不正に近い人口AIや糞システム持ってるけど、それも使ったほうがいい?」
「はぁ?全力を出せって言ってるでしょ」
「システム的にデバッグツール並みのものが二つあるんだけど」
どちらもやばすぎて滅多なことがない限り、封印してるレベルのものが……、とういか前回が初めてか使ったの。
「舐めてるの、その程度潰せるに『本当にいいの』」
こればっかりは確認しなければならない。
「言っておくけど、今回出してる召喚がかわいく見えるレベルだけど」
「そ『言っておくけど、ゲームならないなくなるからなとりあえず1体出して』」
言われたとおり、1体出してくる。
「よくみとけよ、意味がわからないからな」
まずは馬鹿社長の方から貰ったファントムヒーローを起動させる。
「ファントム・・・起動」
これの効果は対象から消されるだ。レーダーに映らず対象に選べず。PC以外なら攻撃すらできないそれだけでなく。確か、陰ながら人を助けるヒーローみたいな意味で馬鹿が作ったらしいが、自分に渡すものじゃないな。
出てきた召喚を目の前に行く。
「なんで、動かないのよ」
「対象に選べないからさ。今使ってるのがそれだ。ちなみにこれ【アバター情報に付与されてるものだぞ】」
「それって、【どのゲームでも使えるって事】」
「勿論、ノーリスクで使える。……うん使える」
おまけに準備すらいらないからな。もっとももう一つのほうも狂ってるが。
「それで、見ればわかると思うが。PC以外は無防備になる。対象がいないからな。」
「……」
とりあえず、それなりに溜めた一撃を入れて吹き飛ばす。
「さて次行くぞ」
今度はデイメアのほうを動かす……ファントムはファントムで狂っていたが、こっちはこっちはおかしい。こっちはナイトメア作った地角博士から貰った奴だ。
ナイトメアが博士が元から作っていたサポート機能から、【提言】をなくしこっちから指示を出さなければ動かなくした奴だ。使い方は先に準備したモーションやスキルの補助を行う。マニュアル操作等をこっちに任せたりすると、かなり使いやすい。
一方デイメアのほうは、終わらない悪夢ということで過去の状況に戻したり、過去データにしたり……うん頭がおかしいと自分も思う。まぁこの力ってもっぱら不正者とか、GM権限とかで、公式で不正使ってた奴の拷問用なんだけどな。データ破損とかできるスキルも過去に持ってるから、やろうと思えばログインできなくしたり、色々できるからな。……まだそこまでの奴にあってないけど。
「デイメア起動」
さてまずは……
【過去の再現を行い】吹き飛ばす前の相手を出す。
「何を……、したんだい」
「デイメアの効果の一つ、過去の再現。対象を選択して、状況を再現できる。勿論、一分程度なら動作の再現もです。今みたいに固定も可能だ。まぁ単純に言えば」
数秒前の殴る動作を再現し。動かないに相手を殴り続ける。動作も極力減らし。通常攻撃の十倍程度の早い動作で攻撃を行っていく。
「こんなことができます」
「それに意味があるのかい?」
「これは過去の再現ですよ?当然攻撃は全部相手にフィードバックされます。勿論攻撃の威力も保持されますから威力もそのままです。通常は遠距離攻撃で大量に弾幕を展開し、それをデイメアに保持し永久に弾幕を増やし続けることができます。この外にも『わかったもういい』」
もはや殴るものが居なくなり、空を切ってる自分を消し。再度問いかける。
「続きやります。あぁ、経験値とかのことは無意味ですよ」
「倒した寸前の状況を持ってきて狩ると、そして一度あげれば後はそれを戻せば言いと」
「あげたら戻せばいいだけですしね」
実際はそうでもないけど。
結局再現は再現であり、現在進行形ではない。経験値は本体に入るから、構成を変えたりとかはできないし、そういうカスタマイズしたいならその状況まで戻して再度あげなおさないといけない。しかも再現なので装備やアイテムも当時のままになる。
また、結局はその当時の状況を再現なので当時の時間帯を知っておいて邪魔されず行わないと行けない。
瀕死の状態を再現すれば瀕死だし。ログアウト状態を引っ張ってくれば、コネクトに入った時の初期アバターになる。未来なんかを再現してもそうなるし、情報がないときを再現してもそうなる。つまり、このシステムになんらかでアクセスして時間を+数時間や、数日と変えられたりするだけで、すぐさま窮地に陥る。
だから、情報は秘匿にし、する際はなにかしら騙せるような手にし、情報を錯乱させるのが最適……いやむしろこんなもの使わないのが最適なんだが……
「それでどうします。【このままやりますか】やるなら、対処しますけど」
まぁ、現状では今召還した奴の上位互換なシステムだし、あっちは使わなければ言いだけだから。……まぁ不正だと常に思われながらの遊びになるから。
「……なんで、こんなの持ってるのに使わないの」
「馬鹿ですか?こんな以下にも不正使ってますなんてもの使って遊んでどうすんの。優越欲や達成欲とか満たしたいならオフラインでやるし。不特定多数の奴らに見られて、特定されたり、晒されたりして不都合しかないこんなのを。あぁ勿論使うときは使いますよ。それでも今まで貰ってからここまで使ったことは昨日の一回だけですけどね」
元々こんなのは、運営やら不正やらと相対してどうしようもない時ように……いや一度あったから次回はこれで何とかしてねっていう保険のようなものだぞ。まぁ昔から貰ってた人口AIは、たまに使ってるけど、便利だし、最近あれないとソロプレイがきついのが出てきてるし。
というか、金剛もデイメア並みのは貰ってるはずなんだよな。なに貰ったんだあいつ。こっちも確立モーションとか色々貰ってるんだが。
「それで、どうします。このままやります?」
まぁできれば、こんな作業になりそうな力を使いたくないんだけどな。……やはり前日のあれが響いてくるな。
昨日のせいで、警戒心が一段と上がっている。情報の秘匿より、露見による脅しを選んでるし。
「……少し考えさせてくれ、暫く休憩時間で」
そういって、観客ごと消えていき。また白い世界だけの世界に戻った。
「ふぅ」
とりあえず、何かされそうだったがされる前に済んだか。
「一応レベル上げしとくか、暇だし」
今回は、主人公の使った機能について少し。
今回使った機能ですが、それぞれ思いがあります。片方は、不正者や黒い人物を多くを匿名で潰して貰い秘密警察みたいに形としてゲームの治安を良くしてもらおうという思い。もう片方は機能使って貰う事により解析・開発をしてもらい、その技術を発展もしくはアイディア増やしてもらいたいという思い。
まぁどちらも使われる環境がないので、まだ浸透はしませんがこれからは……