表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏生詩集3

かなしいから

作者: 夏生

かなしいから

泣くのじゃなくて

くやしいから

泣くの


母の言葉が

浮かんだ


本当にかなしいとき

涙は出ない、と


母が亡くなったとき

伴侶の腕にしがみついて

ありったけの奇声あげて

泣いた私


本当にかなしいとき

だったのに

泣いた


本当にかなしかった、のか

浮き上がった疑問符

振りきれなかった


かなしい、は

遠くに向けてそっと寄せる

思いなんじゃないか

誰かへのメッセージじゃないか


母が亡くなったとき

泣いたのは


助けることが

できなかったから

じゃなかったか


異変に気づかなかった

自分ばかり見ていたから

じゃなかったか


泣いたのは

かなしかったからじゃない

くやしかったからだ


どうにもならない

くやしさを

母の三回忌と一緒に

供養した









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ