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春過ぎて

作者: 星沢ソラ

  立夏が(5月6日)が過ぎた頃、私は持統天皇と役人と一緒に奈良にある香具山へと散歩に出かけた。

  立夏は過ぎたばかりなのに、日は強く私たちを照りつけた。

  さて、途中で寄り道をしながらも香具山に着いた。

 「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」

  いきなり陛下が歌を詠ったので私は驚いた。

  周りの役人たちは拍手と賞賛を送っていたけれど、私は分からないことがあったので、聞いてみること にした。

 「陛下、何故香具山に白い衣が干してあると、夏が訪れたと思うわれるのですか?」

  そう質問したのは、紛れもなく私の知識不足である。

  白い衣は別に雨や雪が降っていなければ、干せるものではないのか。私はそう考えた。

  すると、陛下がこうおっしゃった。

 「香久山では、夏になると白い衣を干す習慣があるのです」

  すると陛下は町の人に話を聞くと言って、役人を連れて行かれた。私は少しの間自由にして良いと言わ れたので、香具山を眺めていることにした。

  山の緑に衣の白、そして空の青が夏の清々しさを思わせる。

  衣が風になびいているのを見ると、ああ、これが夏の景色なんだ、って。そう思えた。


 「待たせましたね。では戻りましょう」

  しばらくして陛下が突っ立っていた私の元へやってきた。

 「はい」

  それから宮殿に戻るまで、夏について陛下と話をしていた。



  あれから何年がたっただろう。

  私は久しぶりに香具山に訪れた。

 「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」

  山にはあの頃と変わらずに白い衣が干してあり、それが風になびいている。

  さあ、夏がまたやって来る。

初めて歌物語を創りました。

実際に国語の授業で創作したものを少しいじりました。

機会があるならまた違う和歌で創ってみたいです。

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