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効率厨が獣人とお話をするそうです。

ちょっと長いです

「で、一体何を行いにこんな港街までお越しになられたのでしょうか?も、もしかして食料の配給停止とかでは無いですよね、無いですよね!」




ミルーマという獣人はネガティブな精神らしい。こちらは様子を見るためにここまで来ただけなのに。これでは何か在るのかと常人は勘ぐるだろう。取り敢えず、聞きたいことだけ聞いてしまおう。




「ミラノから話は聞いてある。ミルーマ、貴様等亜人にとって我々にして欲しいことを正直に述べてみよ。後、食料配給は続ける」





ミルーマは少し焦りが消えたようだがまだ残っている。それはそうだ、今目の前に居るのは食料の提供者。下手に答えると配給量を減らされると思っているからだ。幸作自身はそのつもりは無く、ただ、亜人の協力者の要望と亜人全体の要望の二つ聞いておく必要があると思ったからだ。





「はっはい!わっ私はただ・・村の皆が安心して毎日楽しく笑顔で暮らせれば良いと思ってます。」





「成る程、君はいい子だ。君たち亜人が皆殺しになり、中央から追い出された身であっても復讐を望まず、ただ平和を望むか」




「はい・・・復讐は復讐しか生み出せませんから」





恐らくミルーマが言っていることは心からのことだろう。じゃなければこんなに必死に食料配給に協力的にはなれないだろうし俺を目の前に怒らない筈がない。でも少し引っかかる・・・。



  


「分かった。では君達は俺に何を齎す?食料配給は偽善で行えないし、すぐに出来る訳がない。ミルーマ一人の協力という安い代償で食料を渡すほどこの世は甘くないぞ」



















そう。あれは3日前、ミルーマの村は食料が底を尽きてしまった。その年は畑から何を撒いても芽を出さず備蓄していた食料も尽き若い者はミルーマを除き大半は別の村か北の都市へ向かってしまった。そして、ミルーマは一人、また一人と栄養不足や空腹で倒れて行き、もう駄目だと思い





「どうか何事でも致すので我々に食料を誰でもいいのでお恵み下さい。」




と神にも縋るような形で祈っていたところに





「その言葉二言はありませんね?」





と、偶々亜人の生活を上空から観察していたミラノに発見されるのだった。それからミラノは村人に全部行き渡る分の食料をアイテムストレージから取り出し渡したのだった。それを条件に今までミルーマはここで食料配給の協力者として手伝っているのだった。因みにその食料は主にジャガイモ、パン、レタスである。これだけだというのに亜人は泣いて喜ぶのだった。




















「はい。ですので私は協力者ではなくあなた様の奴隷になりたいと思います。」





奴隷というのは人身売買を物として扱い、所有者は何をしても許されるということなのだ。労働として、性処理の物として、ストレスの発散代わり、殺しの試しなど何をしても許される。それが奴隷なのだ。




「分かった上で言っているのか奴隷になれば俺が解放するか死ぬまで俺の言いなりなんだぞ?」






「分かっています。」





ここで少し話をまとめてみよう。ミルーマが出した条件はこうだ。



1、食料配給は貧しい亜人達の村に出来るだけ供給してほしい。<無期限>



2、その代わり代償としてミルーマが奴隷となる。





これでは誰が考えてもミルーマにとって有利過ぎる。しかし亜人の勢力拡大復帰には食料配給は必要だろう。いや、待てよ。別に、食料配給は無期限である必要はない。農業技術を提供すればいいんだ。そうすれば食料配給は村から実が出来るまででいいし、ミルーマとあう我が孤島に忠実で裏切らない部下が出来る訳だ。






「村には無期限での食料配給は行わない。」






「分かっています。村が立て直すまででいいんです!どうかその間だけでもお願いします。これしか村が立て直すために時間を稼ぐ手段が見つからないんです!」





ミルーマは泣きそうな顔をしながら獣耳が垂れながら頭と身体ごと地面に付けた。





「村が立て直すのはいつだ?明日か、翌月か、翌年か?何時なんだ!あんな痩せて、魔力も空の土地で!」





「分かりません!でも何時かきっと近いうちに」





「それが分からないから聞いてるんだろ!!なら、無理だったらどうする?お前の村は若手が居ないんだってな。なら全員散り散りにしてその土地でも譲るか?出来ねーだろ!」





ミルーマは叫び続ける。




「なら、教えて下さいよ!廃村寸前の私の村を救う方法を!!」









静かになり風の音が聞こえる。





幸作は黙りゆっくりと言った。





「言えたじゃねえか。お前の本音を」






「え?」




ミルーマは自分が何を叫んだのか思い出す。





「村の皆が安心して笑顔で暮らすまえにやることがあるじゃねえか。村の立て直しにはどう考えても村のやつらじゃ頭は回らない。なら俺に頼るのはどうだよ?どうやっているか言えないが大量の食料を生産し配給している俺なら村の魔力が湧き出ない原因、種から芽が出ない原因。俺が分からないはずないだろう?」






ミルーマは徐々に顔を幸作に向ける。





「ミルーマは俺の奴隷になる。代わりに村に農業技術を提供し村の復興の手助けをする。勿論復興が完了するまで食料配給は続ける。いいな?」







幸作がそう聞くとミルーマは泣いていたのか赤くなった顔が明るくになり、






「はい、お願いします!我が主!!」







と元気よく笑顔で返事をするのだった。




効率厨といってもゲームとは違い幸作はまともな人間なので感情移入してしまうため寄り道は必須なのです。←タイトルェェ



あと、感想待ってます。

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