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ひだまりの国 海底都市の謎  作者: 白波
第1章 海底へ
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第2話 海底には町があったようです

 さて、潜水を始めてからどれほどの時間が経ったでしょうか?

 船は、暗闇の中を下へ下へと進んでいきます。


「ここの海って思ってたより深いのね…。」

「みたいだな…ここまで深いとは思ってもみなかった…。」


 ヴァーテルと私は、のぞき穴から下を見ながらそう言いました。

 光も届かないような海底では、船の光だけを頼りに進むことになります。


「はぁ…でも、こうも変化がないと暇になってくるな…。」

「アウラもー」


 いつの間にか横にいたアウラと竜也がそう言いました。

 見る限りでは、海底にはスティーリアが言うような現象の原因はなさそうに見えました。


「まぁ海底まで行ったけど何もありませんでした…でいいかな?」


 私がそう言った時…


「何か見えるぞ!」


 ヴァーテルが下の方を指差しながらそう言いました。

 私が、ヴァーテルの指差している方を見ると、何か光っている球体が見えました。

 それは、近くに行くにつれてはっきりと見えてきました。


「こんなところに…町?」


 球体の中には、大きな町があるように見えます。


「海底都市ってところか…もうちょっと近づけたりする?」

「まぁできないこともないだろうけど…。」


 船の設定を変えて、海底都市の方へ移動させます。

 近づけば近づくほど、そこが海底であると言うことを忘れさせそうです…


「すごい…。」

「これぐらいで驚いてもらっちゃ困る!」


 突然後ろから声がしたので、おどろいて私たちは、振り向きました。


陽菜(ような)!」


 私たちの後ろに立っていたのは、翠川(みどりかわ)家の次女である翠川陽菜でした。


「陽菜もこっちに?」

「そうそう…いやー町に接近してくる船が見えたから様子を見に来たら、牡丹が乗ってたもんで驚いちゃってさーちょっと脅かしてみた!」


 陽菜は、満面の笑みでそう答えました。

 陽菜は、昔からいたずら好きですが、どこに行こうとそれは変わらないようです。


「もしかして、陽菜ってあの町に住んでるの?」

「そうそう! みかんも一緒にね! ただ、突然どっかいっちゃうから困るんだけど…。」


 私が外を指差しながら聞くと、陽菜は嬉しそうに答えました。

 しかし、海底にある町に住んでいたとは…ふつうに地上を歩いているだけでは、まず再会できなかったでしょう…


「それで…私が町を案内しようか?」

「いいの!?」

「もちろん!」


 陽菜は、前に比べて頼もしくなった気がします…

 これは、最近になってわかってきたことなのですが、この世界へやってきたとき、人によって多少の時差があるようです…わかっているだけでも私が一番遅かったらしく、お姉ちゃんがそれよりも1年以上前(炎竜と出会ったのがその頃だとのことですが、本人に聞けないので詳細は不明です)、蓮華が半年前、百々が2ヶ月前と言った調子で、約1月から3年ほどのずれがあるようです…そのためか、私より年下だった人が成長して、私が年下になっていたりといった現象が起こっています。


「陽菜は、どのくらい前にこっちに来たの?」

「えっと…3年ぐらい前かな…。」


 3年前…と言うことは、陽菜は私より1つ年上になってしまっているようです。


「そうなんだ…その間ずっと海底に?」

「そうだよ…牡丹が想像しているよりは快適に過ごさせてもらってるわ。海面から特殊な穴を通って太陽光が降り注いでるし、治安もかなりいいから安心して住めるのよ…それに、上の帝国との決定的な違いは、国王が独裁者として君臨している地上(うえ)と違って、海底(こっち)は議会制民主主義の上、科学技術が発達しているから、日本にいるのとそう変わらないのよ…だから、わざわざ外に出る必要性はないの…。」


 科学技術が発達している海底都市ですか…異世界に来て、日本とほとんど変わらない街があると聞いてもなんだかピンときません。






 そんな会話をしているうちに、船は、海底都市のすぐ目の前まで来ていました。

 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします。

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