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ひだまりの国 海底都市の謎  作者: 白波
第3章 都市機能喪失
17/19

第17話 人工都市は停電や災害に加えて、造られたときに想定されていなかった事態が原因の事故に非常に弱いそうです(避難命令発令編)



 地下鉄の乗り込んでからどのくらいの時間が経ったのでしょうか?

 海溝を越えたので、南地区に入ったことは確かなのですが…


「もうすぐ、南地区の総合指令室の直下につくから、ブレーキかけるぞ」


 みかんの声が聞こえた直後に、強いブレーキがかかり、前に飛ばされそうになりました。


「危ないじゃない!」

「仕方ないだろ! 慣れてないんだから」


 陽菜とみかんが喧嘩しそうになり、私は、間に入ってまぁまぁと二人をなだめました。

 とりあえず、荒っぽい止まり方でしたが、この都市の総合指令室についたようです。


「とりあえず、上に急ぐぞ」


 みかんが、戦闘を切って走り出し、私たちは、それについていきました。






 都市の生命維持の機器から、鉄道、道路、情報伝達システムまで、すべてを管理しているコンピュータが置かれている部屋を通り、大きなモニターがある部屋にたどり着きました。


 この部屋のモニターには、各地での異常を知らせる表示がされているのだが、そこに司令員の姿は、わずかし残っていなかった。

 おそらく、発生日時から考えて、必要最低限の当直しか残っていなかったのだと思います。


 みかんは、すぐ近くの司令員に話しかけていました。


「状況は?」

「はい。昨日の夜に北地区を管理をしているシステムが何者からかの攻撃を受けました。現在、これ以上の進行を防ぐために生命維持系を除くすべてのシステムを緊急停止し、防御プログラムを構成しました。しかし…」

「防ぎきれなかった…そういうことね」


 司令員は、はい。とうなだれる。

 状況は、私たちが考えていることよりも随分と深刻だったようです。


「これより、北地区の全システムを強制停止します。これ以上の被害を抑えるために全住民を北地区から非難させ、北地区のシステムをメインコンピュータから切り離します。なんとしても、西、東そして、南のメインコンピュータを侵食されないようにしてください。急いで!」

「はい!」


 司令員は、マイクを手に取り、みかんが指示した内容を伝えました。

 数封後、その内容を聞いた司令員が、あわただしく動き始めました。


 北地区の住民に向けて、避難を呼びかける者。


 生き残っている部分を使って、避難経路を確保する者。


 北地区のシステムを切り離す準備をする者…


 それぞれが、連携して仕事を進めていきましたが、思うほどうまくいっていないようです。


「ダメです。侵食速度が速すぎます」

「避難経路の確保ができません」


 あちらこちらから飛んでくる声にみかんは、少し考えてから、立ち上がりました。


「緊急時対応マニュアルZ-45を発令します。凍結プログラムを流して1時間、攻撃してきたシステムの動きを止めます。その間に都市機能を一時回復させ、モノレールで各地区へ避難させてください」

「了解しました。凍結プログラム発動確認。北地区メインシステム再稼働。電力100。生命維持問題なし。緊急時対応マニュアルZ-45に基づき、北地区全域への避難命令を発令。避難完了もしくは、1時間経過後に北地区を破棄します」


 先ほどよりも司令員の動きが激しくなりました。


 これで、1時間というタイムリミットが設定されている北地区からの避難が始まったのでした。


「牡丹。話がある」


 そんなさなか、みかんが私を呼びました。


「何?」

「話したいことがある。できれば、ヴァーテルたちも一緒のほうがいい」

「俺たちもか?」


 ヴァーテルがそういうと、みかんは、至極真剣な顔でうなづきました。


「わかった」


 ヴァーテルがそういって、みかんのほうに歩み寄ると、みかんは、こっちに来て。と言って、応接室と思われる部屋のほうに歩きだし、私たちもそれについていきました。



 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします。

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