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ひだまりの国 海底都市の謎  作者: 白波
第2章 南地区
14/19

第14話 南地区から北地区へ戻りました



 さて、車の中での会話も随分と少なくなってきたころ、車は、北外駅のすぐ近くまで来ていました。


「はぁやっと着いたね…。」

「ほんとね…行きよりはかからなかったけど、それでもかなりの時間よね…ヴァーテル達が心配してるかも…。」


 北外駅でヴァーテル達と別れて、車で移動したり、歩いたり、実験したりとしているうちに軽く5日は経っていたと思います。

 予想以上に長い時間、北地区を離れるという結果になりました。


「運転手さん、ありがとう。」


 陽菜がそう言うと、運転手は車を発車させた。


「でも、5日も離れてるといろいろと変わってるかも…。」

「まさか! たった5日で…。」

「変わるのよ…この都市は、毎日違う顔をしているといっても過言ではないわ…。」


 私の言葉をさえぎるようにそう言った陽菜の顔は、いたって真面目でした。

 でも、いくらなんでも、毎日違う顔をしている都市だなんて…

 私は、この時そう思っていました。






「はぁいったい何がどうなったらこうなるの?」


 ここは、希望松駅…5日前は、終点駅で環状線への乗り換えを促すようなアナウンスが流れていた記憶があります…しかし…


「希望松。希望松です。ご乗車ありがとうございまし。お出口は左側です。中環状線、東希望松線等はお乗換えとなります。この列車、この駅を出ますと次の停車駅は、希望松中央です。」


 何がどうなったらこうなるのでしょうか…


「だから、言ったでしょ? 北地区は、それこそ毎日顔が変わる…この都市は、建物から公共交通機関まですべて地下に収納されていて、必要に応じて出し入れされているのよ…だから、時と場合によって全然違う顔を見せるのよ…。」


 陽菜は、北部縦断線の方へ歩きながらそう言いました。

 私は、北部縦断線に乗るというわけではありませんが、そちらの方に歩いていきました。


「まもなく、12番ホームに列車が…」


 この都市は、あまりにも発展しすぎている気がしてきました…


 何にもない南地区と、過発展している北地区…この格差はどうにかならないものなのでしょうか?


「それに…もう一つ気になるのは、陽菜の態度かしら…。」


 陽菜の様子が明らかににおかしい気がしました…

 あの実験をやっている間は、まだ、いつも通りに感じましたが、帰りの車あたりから明らかに様子がおかしい気がしました。

 言動は、いつもとほぼ一緒の気がするのですが、なんとなく、何かを悩んでいるというか、後ろめたそうにしているというか、そんな気がしたのです。


「陽菜…もしかして、何か隠してる?」

「えっ? 何の話? そうだ! 私、これから用事があるから行くね!」


 陽菜は、そう言って走り去って行ってしまいました。


「やっぱり何か隠してる…陽菜もみかんも…多分、この都市には何かある…。」


 陽菜やみかんの様子がいつもと違ったのは、この都市とは関係ないのだが、それを知るのはずっと先になるのです…


「牡丹! やっと来たか!」


 後ろからふいに声をかけられて、私は振り向きました。

 すると、後ろには、竜也とヴァーテル、アウラが立っていました。


「ヴァーテル! アウラ! 竜也! ごめんねー待たせちゃって!」


 私は、陽菜の事も気になりましたが、ヴァーテル達の方へ駆け寄って行きました。

 アウラは、相当さみしかったのか、彼女に思い切り抱きつかれました。


「お帰り…お姉ちゃん…。」

「うん、ただいま…って言っても、ここ駅だけど…。」


 私がそう言うと、竜也がこう言いました。


「いやいや…仲間のところに帰ってきたんだから、それでいいだろ?」

「そうね…じゃあ、みんなで海底都市を散策してみる?」


 私の提案に皆がうなづきました。


「そうだな…その方が俺たちらしいな。」

「ところで、どこへいくの?」

「そうね…モノレールで一周してみる?」


 アウラは、モノレールが相当気に入ったのか、目をキラキラさせています。


「アウラもそれがいい!」

「まぁ悪くないかもな…。」

「たまには、歩き以外で旅するのも楽しそうだしな。」


 私たちは、中環状線の方へ歩いていきました。



 読んでいただきありがとうございます。


 前と間が空いてしまって申し訳ございません。


 これからもよろしくお願いします。

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