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ひだまりの国 海底都市の謎  作者: 白波
第2章 南地区
13/19

第13話 そろそろ北地区へ帰ります

 さて、南地区での実験も終えて、私たちは、北地区へ帰ることにしました。


「そうか…北地区に帰るのか…まぁいいだろう、また気が向いたら来てくれ!」


 みかんはそう言っていますが、あからさまにここは、気軽に来れる場所ではないと思います。


「それで…帰りは、車出してもらえるの?」

「えぇ…私は、ちょっとやる事とがあるから、ここまでだけど、一応北外駅まで送って行くように頼んでおくわ…それじゃあまたね!」


 そう言い残して、みかんは司令室の方に歩いていきました。


「行っちゃったね…。」

「はぁ…道理で突然いなくなるのね…まったく…もっと早く行ってくれればよかったのに…。」

「そうだね…それじゃあ行こうか!」


 私がそう言うと、陽菜はうなづいて歩き始めました。

 私たちは、階段を上がって地上に止めてあった車に乗り込みました。






 Side みかん


 私は、司令室に入るなりその部屋を見下ろす位置にある席に座った。

 下では、司令員たちが映像を見ながら指示を飛ばしている。


「雪草三佐。お疲れ様でした。そうそう、例の企画書をあげておいたので時間があったらチェックしてください。」


 いつの間にか横に来ていた宮中(みやなか)広報部長が話しかけてきた。


「はぁあなたはよくやってるわね…本当にすごい世界よ…日本人だっていうだけで、性別も年齢も性格も関係なく重要な役職につかせてもらえるんですもの…まぁ調べた限りじゃ日本人の異常なまでの優遇は、この都市だけみたいだけど…。」

「まぁこの都市を作り上げたのは、日本人だと聞いておりますし、歴史の関係上、日本人…特に北上家とその分家が異常に優遇されるのは、当然と言えば当然の結果ですわ。」


 宮中の話している内容はわからないこともない…だが、だからと言ってもな…


「そうだろうけどさ…いくらなんでもやりすぎだろ…私なんてほとんど何もやっていないのに、こんな立場にいるのよ…一介の中学生が、三佐呼ばわりされている時点でかなり異常だよ…。」

「まぁ確かにそうですね…しかし、北上家とこの世界とどんな関わりがあるのでしょうか?」

「さぁな…私が知るわけないだろう…。」


 この世界に来てからと言うもの、海の外に出たことのなかった私は、陸の事情など知るよしもない…もしかしたら、何かしらのヒントがあるのかもしれないが、いくらなんでも職務を投げ出していってしまうのはまずいので、そのような行動はしないようにしている。


「まぁ雪草三佐も大変でしょうが、頑張ってくださいね!」


 宮中広報部長は、足早にその場から立ち去って行ってしまった。

 主モニターに目をやると、車に乗っている牡丹と陽菜の姿が写っていた。


「はぁ困ったものね…陽菜はともかく牡丹がね…。」


 私は、モニターを見ながらそうつぶやいていた。






Side 陽菜


 私たちを乗せた車は、来たときのトラブルが嘘のように軽快に南地区を走り抜けていく…横に座る牡丹は、窓の外を眺めていた。


「でも、この都市は、地区ごとに顔が大きく違うわね…。」

「そう…だね…。」


 困ったな…どうしよう…でも、何で牡丹なんだろう?

 私は、ある疑問が払しょくできないでいた…先ほど、実験を終えた後にみかんに言われた一言が…






 私は、実験を終えた後、なんだかふらふらになっていた牡丹が運ばれているのを追いかけて行こうとしたところで、みかんに呼び止められた。


「少しいいか? 話したいことがある…。」


 私は、みかんに連れられて休憩室に行きました。


「話って?」

「端的に言えば、こちら側についてもらいたい…私たちの組織の上にはある委員会…通称トップ6と呼ばれている組織があるんだ…理由はよくわからないけど、トップ6は牡丹をあまりよく思っていない…だから、私たちの方に排除命令が下っている…陽菜が協力してくれれば、私と同等かそれ以上の地位を保証する。まぁ返事は急がなくていい…今の段階なら彼女を海底都市から出さなければいいだけだからな…いい返事を待っている。」


 そう言ってみかんは立ち去った。






 牡丹…あなたは、一体、陸で何をやっていたの?

 何でそんなに敵視されているの?


 私の疑問がついえることはなかった。

 読んでいただきありがとうございます。


 当初予定では、基本的に牡丹視点のみで進めるつもりだったのですが、それでは不自然になってくるような気がしたので、今回から時々他の人の視点が入ると思います。


 これからもよろしくお願いします。

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