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ひだまりの国 海底都市の謎  作者: 白波
第2章 南地区
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第10話 ひたすら(徒歩で)目的地へ向かいます

 南地区に入ってから約10時間…途中で車のトラブルに見舞われつつも私たちは、確実に目的地へ向かっていました…徒歩ですが…


「あと何時間ぐらい歩くの?」

「そうだな…ざっと23時間と言ったところかな?」

「23時間って…ほとんど1日じゃないの…。」


 ここからほぼ1日とは…この都市は、巨大すぎる気がしてなりません…いったい何がしたかったのでしょうか?


「23時間か…ねぇ…目的地まで一気に行ける魔法使えないの?」

「申し訳ございませんが、南地区は全域魔法禁止地帯に指定されております。」


 みかんの代わりに運転手さんが答えました。

 言われてみれば、海溝を超えた先にそんな看板が立っていたような気がします。


「どうして魔法禁止なのよ?」

「それは、私も知らない…初めて来たときからそうだった…。」


 確かに、海底都市内ではモノレールの車内等を除けば、魔法を使ってよかったはずです…なぜ、南地区(ここ)だけ魔法禁止なのでしょうか?


「まぁ一説には、この上には島があるから、その島の関係だよ…詳しいことはわからないけど、上陸した限りじゃよくわからなかったな…。」


 みかんは上を見ながらそう言いました。

 島? でも、それだと、この都市の位置関係がおかしくなるような…


「島って聞いて疑問に思ってるかもしれないけど、島って言っても一般的にイメージされるようなのじゃなくて、宙に浮かんでいるって言う表現が正しいのかな…そんな島よ…。」


 宙に浮いている島…そんな島があるものなんですね…


「でも、その島に何があるんだろう?」

「さぁ…島を詳しく調査したわけでもないし、海面に出て船で行こうと思ったところで、海溝がある位置より先には進めないからな…こればっかりはどうしようもないと思うよ…。」

「そうなんだ…。」


 海溝から先には進めないか…ってあれ?

 じゃあなぜ、みかんは海溝の向こうに島に上陸することができたのでしょうか?

 もしかして、そのことを隠そうとしているのでしょうか?


「みかん…何か隠してるでしょ?」


 私は、足を止めました。それに伴いみかんや陽菜、運転手さんも立ち止まりました。


「目的地のことだったら、着いてからのお楽しみのはずだけど?」

「それ以外のことよ…さっきの島の事もそうだし、こっちで会ってからみかんおかしいよ! どうしたのよ?」

「…できれば隠し事なんかしたくないわよ…でもね、牡丹もわかるでしょ? 世の中には、知るべきこととそうでないことがあるってことぐらい…中学生の私たちでさえわかるでしょ?」


 そう言うと、みかんはふたたび歩き始めました。


「みかん!」

「まったく…ただでさえ23時間かかるんだ…話は、向こうについてからじっくりと聞くからさ…。」


 それ以降、言葉を発することなく歩いていくみかんの背中は、なんだかさみしそうと言う印象を受けました。なぜ、自分がそのように感じたのかはわかりませんが、みかんは、何か隠し事をしている…なぜか、このことに関しては、間違いないと思っていました…






 さて、あれから約1日半が経ち、ようやく目的地とやらに到着しました。

 私たちの目の前には、地下へつながっていると思われる階段がありました。


「この階段を下りたところが目的地よ…もう一息だから頑張ってね…。」


 みかんが最初に階段を下り始めました。それに続くように私と陽菜も下りて行きます。

 運転手さんは、別のところに行くとかで、先ほど別れました。


「階段を下りるってどのくらいなの?」

「そうね…地下5階ぐらいかしら…。」


 陽菜の質問にみかんが答えました。

 地下5階って…こんな場所で、地下にあるだなんて、まるでどこかの秘密基地のような印象を受けます…


「安心して…変な秘密基地と過じゃないから…そうそう、これは心を読んだとかじゃなくて、牡丹ならそんなことを考えてるかななんて思っただけよ…。」


 あらら~そんなこと考えてるってわかったみたいです…みかんにはかないません…

 そんなことを言っている間にも、階段を下りて、その先にある扉が見えてきました。

 読んでいただきありがとうございました。


 これからもよろしくお願いします。

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