【200文字小説】おなか、いっぱい!おめめ、ぱっちり!ぼく、しあわせ!
もぐもぐ。
父は言った。
「モノは良く噛んで食べること。
噛むことで頭の働きが良くなる。
賢明な大人になれよ」
もぐもぐ。
いらい、ぼくは食事にたっぷり時間をかける。
すやすや。
母は言った。
「早くおやすみなさい。
寝る子は育つからね。
もっと育って貫録のある大人になってね」
すやすや。
いらい、ぼくはねることにじっくり時間をとる。
あしたは三十二回目のおおみそかだ。
はやく立派な大人になりたいなぁ。
◆◇◆◇
200文字の制約が煩わしくもあり、涼しくもあり、懊悩と快哉を同時に得られたような気がします。
また、気が向いたら作ってみたいと思います。