主要人物
登場人物です
クラウディオ・ルジェリウス
見た目は18歳前後。実年齢は500歳以上。身長160cm。体重48kg前後。黒髪。金寄りの琥珀色の瞳。白い肌、細い喉、華奢な肩、薄い身体。少年のような危うさと、王としての冷たい華やかさを併せ持つ。
美貌は中性的だが、可憐ではない。見た者に「壊したい」と思わせるのではなく、「近づけば壊される」と分からせる毒のある美しさ。薄い唇、長い睫毛、白い首筋、血の色が映える肌。王冠も黒衣も血も似合う。
幼少期は王城で妾の子として蔑まれていた。正統な血筋ではない、薄汚い、王位にふさわしくないと嘲られ、兄弟や臣下からも軽んじられた。泣いて縋る子ではなかったが、嘲った者の顔と名前をすべて覚えていた。
彼は冤罪、集団断罪、魔女狩り的構図に強い嫌悪を持つ。ただし、それを善良な正義には変えなかった。裁かれる側ではなく、裁く側になることを選んだ。
性格は高慢で理不尽。少しの失態も許さない。命令への返答が遅れる、血杯を落とす、王の意図を読み違える、その程度でも処刑する。クラウディオにとって、王の前で不完全であること自体が罪である。
能力は血術特化。血を刃、鎖、命令、圧として扱う。血の鎖で拘束し、血の命令を空間に染み込ませ、相手の膝を割らせるほどの圧をかける。吸血鬼としての格は非常に高い。
血は稀血。一万に一人いるかいないかの甘美で極上の一級品。人間にも吸血鬼にも、異様に惹きつける匂いと魔性を持つ。クラウディオ自身もそれを理解しており、弱ったふり、喉の渇き、血の匂いを使って相手を誘い、逆に喰らおうとする。
最大の屈辱は噛まれること。吸血鬼にとって噛み跡は所有と屈服の証であり、王が誰かに噛まれることは死より重い恥。クラウディオは本気で、噛まれるくらいなら死んだ方がましだと思っている
一人称は「俺」。王として威圧する時は「我」。ただし、王としての格を押さえ込まれた時は「我」と言えなくなることがある。
ルスト・ヴァルレイン
灰銀のハンター。ルスト・ヴァルレインは現在名、または通称。本名は別に存在する
見た目は30代後半から40代前半。実年齢は7000以上。身長220cm。体重140kg前後。灰銀の髪。鋼色の瞳。黒や灰の狩人装束をまとう巨躯の男。
肩幅、胸板、腕、背中、脚、すべてが圧倒的。ただ大きいだけではなく、硬く詰まった筋肉と、長い年月を生きた静かな重さがある。近づくと、まず体格差で息を呑む。次に、その目の古さに気づく。
表向きは、吸血鬼だけを狩る灰銀のハンター。教会にも狩人組合にも属さず、夜に現れては吸血鬼の死体だけを残す。人間側からは英雄のように語られるが、本人は人間の味方を名乗る気はない。
性格は寡黙で冷静。怒鳴らない。感情を派手に見せない。必要な時だけ動き、必要な時だけ言う。クラウディオが血と命令で支配する王なら、ルストは沈黙と圧で支配する存在。
吸血鬼の血、飢え、王権、禁忌に異様なほど詳しい。クラウディオをただ殺すのではなく、管理するという選択を取る。
クラウディオを常時檻に入れない。「檻に入れても意味はない」と判断し、自分の管理下に置いて同行させる。クラウディオが男女問わず誘惑して血を奪おうとするたびに止める。
一人称は通常「俺」。本性や古い格が滲む時は「私」。
セレナ・ヴァイス
クラウディオに仕える女吸血鬼。
見た目は20代後半。
実年齢は800歳前後。
身長171cm。
体重56kg前後。
濃紺に近い黒髪。
金色の瞳。
白い肌と細い指を持ち、黒の詰め襟衣装や深い青の長衣を好む。
華やかさよりも、刃物のような緊張感をまとった女性。
王城内の実務を取り仕切る側近の一人。
表向きは秘書官、実質的にはクラウディオの命令を王城中へ伝える役目を持つ。
冷静で、声を荒らげることは少ない。
王の前では慎重だが、怯えて動けなくなるほど弱くはない。
必要であれば、クラウディオの命令がどれほど理不尽でも、実務として処理する。
クラウディオの暴君性を恐れている。
だが同時に、彼の美しさ、血の格、王としての圧倒的な力を認めている。
盲目的な忠臣ではなく、王が危うい方向へ進んでいることも理解している。
それでも王城を崩壊させないため、感情を飲み込んで働く。
ルストに対しては強い警戒心を持つ。
灰銀のハンターが王に近づくこと自体が、王城にとって異常事態だからである。
ただし、ルストがクラウディオをただ殺すのではなく、管理し、抑え、見届けようとしていることには徐々に気づく。
口調は丁寧で冷静。
感情を隠す時ほど、言葉が整う。
ヴェルナー・グラディス
王城守備を担う古参吸血鬼。
見た目は40代後半。
実年齢は1500歳前後。
身長198cm。
体重108kg前後。
灰銀まじりの黒髪。
灰色の瞳。
厚い肩と大きな手を持ち、古い軍服風の黒装束を着る。
顔立ちは厳しく、騎士というより城壁そのもののような男。
クラウディオの王城を守る武官。
忠義が重く、王に背くことを恥と考える古い吸血鬼。
クラウディオの残虐性を疑問に思うことはあっても、表立って反抗はしない。
王が王である限り、守るのが自分の役目だと考えている。
ただし、彼は愚鈍な忠臣ではない。
クラウディオの統治によって、夜が荒み、野良吸血鬼や崩れ種が増え、人間側との均衡が危うくなっていることには気づいている。
だからこそ、王を疑う自分を許せず、内心で葛藤している。
ルストには当初、強い敵意を抱く。
王に牙を立てた男、王を管理下に置いた男として、到底受け入れられない。
だが、ルストがクラウディオを軽んじているのではなく、危険な王として正面から扱っていることを見て、敵意だけでは済まなくなる。
戦闘能力は高く、王城守備、対吸血鬼戦、対ハンター戦に長ける。
血術は防御寄りで、血を盾や壁のように固めることができる。
クラウディオのような華麗な血術ではなく、重く堅い血の要塞。
口調は低く硬い。
クラウディオには「陛下」。
ルストには当初「灰銀の男」「ハンター」と呼ぶ。
ディアナ・ルツ
血統記録と契約文書を扱う吸血鬼。
見た目は30代前半。
実年齢は900歳前後。
身長167cm。
体重53kg前後。
濃茶の髪。
金茶の瞳。
細い眼鏡をかけ、黒い文官服を好む。
美人ではあるが、本人は美貌を武器にするより、知識で相手を刺すタイプ。
王城の記録官。
血統、契約、噛み跡、所有印、古い誓約、吸血鬼同士の血の意味に詳しい。
噛み跡ひとつが、吸血鬼社会でどれほど重い意味を持つかを誰より理解している。
性格は皮肉屋で、観察眼が鋭い。
王に対しても内心ではかなり辛辣。
ただし、表には出しすぎない。
出す時も直接的な反抗ではなく、記録や古い法を盾にして淡々と刺す。
クラウディオに対しては、恐怖と興味が混ざっている。
彼の王血、稀血、同族喰いの噂、噛み跡の意味に強い関心を持つ。
クラウディオ本人には嫌がられるが、彼女はそれすら記録対象として見る。
ルストに対しては、最初から違和感を覚える。
ただのハンターにしては、血の法に詳しすぎる。
吸血鬼社会の禁忌を、外側から学んだ者の知識ではなく、内側から知る者の目で見ていると感じる。
能力は記録系血術。
血で記された契約や噛み跡の痕跡を読み取ることができる。
直接戦闘は得意ではないが、古い契約を解析する力は非常に高い。
口調は丁寧だが皮肉っぽい。
相手を怒らせるギリギリの表現を選ぶ。
アルド・レウグ
古い血統に連なる高位吸血鬼。
見た目は40代前後。
実年齢は3000歳前後。
身長205cm。
体重102kg前後。
白金髪。
銀色の瞳。
古い貴族趣味の重い衣装をまとい、手袋と杖を愛用する。
優雅だが、近づくと冷えた血の匂いがする男。
王城内の古い派閥をまとめる吸血鬼。
クラウディオを若い王、危うい王、血で王冠を奪った王として見ている。
表面上は臣下として振る舞うが、内心では王権の失墜を待っている。
性格は陰湿で計算高い。
直接怒鳴ることは少なく、相手の弱みを公の場で優雅に突く。
王が噛まれたこと、管理下に置かれていること、噛み跡を消せないことを、政治的な武器にしようとする。
クラウディオに対しては、恐れと侮りが混ざる。
力は認めている。
だが、王としての安定性には疑問を持っている。
そして、クラウディオが崩れる瞬間を誰より見たがっている。
ルストに対しては不快感を抱く。
吸血鬼社会の外から来たハンターに、王権の内側を乱されることが我慢ならない。
ただしルストの圧には本能的な警戒も覚える。
能力は血統干渉系。
自分より格下の吸血鬼に圧をかけ、血を鈍らせることができる。
ただしクラウディオやルストには通用しにくい。
口調は優雅で慇懃無礼。
相手を褒める時ほど刺す。
マダレナ・エインズ
古い血統記憶を知る老吸血鬼。
見た目は60代後半。
実年齢は4000歳前後。
身長164cm。
体重51kg前後。
黄みを帯びた古い銀髪。
褪せた葡萄酒色の瞳。
黒と紫の喪服めいた衣装をまとい、ゆっくり歩く。
吸血鬼社会の古老。
王城の中心には普段出てこないが、古い血の記憶や禁忌について知る者として、誰も完全には無視できない。
彼女の言葉は曖昧だが、後になって意味が分かることが多い。
性格は静かで、ほとんど動じない。
クラウディオの怒りにも、ルストの沈黙にも怯えない。
長く生きすぎた者特有の、諦めと慈悲と冷酷さを同時に持つ。
クラウディオに対しては、若い王として見る。
強いが、危うい。
美しいが、血が騒ぎすぎている。
彼の稀血と王血が、いずれ大きな災いにも転機にもなると感じている。
ルストに対しては、最初からただのハンターではないと察する。
ただし正体を口にしない。
言葉にすれば古い均衡が動くと知っているからである。
能力は血脈記憶の感知。
血に刻まれた古い誓い、怨念、断片を読むことができる。
ただし、読んだものをすべて話すとは限らない。
口調はゆっくり、静か。
断定よりも、古い寓話のように語る。
サフィル・ノクス
王都の裏道と闇市に通じた情報屋。
見た目は30代前半。
実年齢は750歳前後。
身長182cm。
体重69kg前後。
濃緑に近い黒髪。
琥珀寄りの金眼。
細身で軽い身のこなし。
上質だが目立たない外套を着る。
王都の闇市、旧水路、封鎖区画、教会区裏、狩人組合の周辺事情に詳しい吸血鬼。
誰にでも軽口を叩くが、本音は見せない。
危険な情報ほど高く売るが、死にそうな取引は避ける現実主義者。
性格は飄々としている。
冗談が多く、軽薄に見える。
だが、空気の変化や殺気には非常に敏い。
クラウディオの機嫌が悪い時は近づかず、ルストが無言でいる時はさらに近づかない。
生存能力が高い。こういう奴ほどしぶとい。腹立つけど便利。
クラウディオに対しては、恐怖と商売上の興味がある。
王の稀血や噛み跡の噂を嗅ぎつけるが、売る相手を間違えれば自分が消されると理解している。
ルストに対しては、最初から深入りしない方がいい相手だと判断する。
しかし情報屋の性分として、どうしても調べたくなる。
能力は影渡りに近い移動系血術。
短距離なら薄暗い場所を抜けるように移動できる。
戦闘向きではないが、逃げ足は早い。
口調は軽い。
クラウディオには敬語を使うが、心の中では絶対に茶化している。
ロウェナ・ミル
教会区に住む治療女。
見た目は40代前半。
実年齢は人間として40代。
身長158cm。
栗色の髪。
灰緑の瞳。
質素な服と古い薬箱を持ち歩く。
派手さはないが、目が強い女性。
吸血鬼やハンターに怯える一般人側の視点を持つ人物。
教会区で怪我人や病人を診ている。
薬草、古い民間療法、教会に提出されない病人の記録に詳しい。
かつて魔女狩りの記録に関心を持ち、古い処刑記録や冤罪の痕跡を調べていた。
そのため、クラウディオの幼少期に関わる情報へ近づく役目を持つ。
性格は現実的。
優しいが、無防備ではない。
吸血鬼を信用していない。
クラウディオに対しては恐怖と嫌悪を抱くが、彼の過去に触れた時、ただの災厄として切り捨てられなくなる。
ルストに対しては、吸血鬼を狩る存在として一定の信用を置く。
ただし、彼が吸血鬼に詳しすぎることには違和感を覚える。
口調は落ち着いているが、恐怖を押し殺した硬さがある。
ティボルト・シエル
若い吸血鬼ハンター。
見た目は18歳前後。
実年齢も18歳。
身長176cm。
体重64kg前後。
明るい茶髪。
薄い青の瞳。
まだ少年らしさの残る顔立ち。
革の防具と銀の短剣を持つ。
狩人組合に所属する若手。
灰銀のハンターの噂に憧れている。
吸血鬼を狩ることを正義だと信じているが、実戦経験は浅い。
性格は真面目で正義感が強い。
ただし若さゆえに危うい。
吸血鬼の美しさ、血の匂い、恐怖と誘惑の混ざった気配をまだ知らない。
だからクラウディオの稀血と美貌に揺さぶられやすい。
クラウディオに対しては、最初は恐怖を抱く。
だが近づくほど、彼の血の匂いと声に惑わされる。
クラウディオはそれを利用しようとする。
ルストに対しては強い憧れを持つ。
しかしルストのやり方を見て、吸血鬼をただ殺せばいいわけではないと知っていく。
戦闘能力は未熟。
銀の短剣と簡易封具を使うが、高位吸血鬼には到底及ばない。
それでも逃げずに立とうとする強さがある。
口調は真面目で少し青い。
ルストには敬意を込めて話す。
クラウディオには恐怖と反発が混ざる。
イリス・ベルナール
王城の下働きをしていた人間の少女。
見た目は17歳前後。
身長154cm。
痩せていて、淡い金茶の髪を後ろで結んでいる。
薄茶の瞳。
いつも手が荒れている。
王城に雇われている人間の使用人。
吸血鬼たちの中で働いているため、常に怯えている。
だが生活のために逃げられない。
クラウディオの稀血と美貌に直接触れ、吸血鬼の誘惑が人間にも作用することを示す役目を持つ。
彼女自身は悪人ではなく、ただ巻き込まれる側。
そのため、クラウディオがどれほど危険な存在かを読者へ伝える。
ルストに対しては恐怖と救いを感じる。
彼が吸血鬼を狩る存在でありながら、クラウディオを殺さず管理していることに混乱する
口調は控えめ。
恐怖で言葉が詰まりやすい。
ガルム・オルテン
狩人組合に所属する中年ハンター。
見た目は50代前半。
身長188cm。
体重91kg前後。
短く刈った灰色の髪。
右頬に古い傷がある。
実用重視の革鎧を着る。
経験豊富な吸血鬼ハンター。
若いティボルトの監督役でもある。
派手な英雄ではなく、生き残るための判断を重視する現実派。
ルストに対しては警戒している。
灰銀のハンターを英雄視する若者たちとは違い、教会にも組合にも属さない強者を危険視する。
ただし、彼の実力は認めざるを得ない。
クラウディオに対しては徹底して脅威として見る。
美しい王でも、王族でも、喰う側であることに変わりはないと考えている。
クラウディオの稀血にも惑わされないよう距離を取る。
口調は荒いが面倒見は悪くない。
ユリアン・ゼルク
教会区の若い司祭。
見た目は20代後半。
身長180cm。
痩せた体格。
淡い灰髪。
青白い顔色。
黒い司祭服を着る。
教会で吸血鬼対策の記録や封具管理を担当している。
信仰心はあるが、教会の歴史にある魔女狩りや冤罪にも疑念を持っている。
清廉に見えるが、内心ではかなり揺れている。
ロウェナとは古い知り合い。
彼女が調べている魔女狩りの記録について、教会側から情報を持つ。
クラウディオの過去に関わる断片を、間接的に物語へ出す役割を担う。
ルストに対しては、教会にも組合にも属さないハンターとして警戒する。
だが、彼が吸血鬼の本質に詳しすぎることには、恐怖よりも疑問を抱く。
クラウディオに対しては、災厄の王として恐れている。
しかし過去の冤罪記録に触れるうち、彼を単純な悪として断じきれなくなる。
口調は丁寧。
迷いがある時ほど祈りの言葉が増える。
ノエル・クレイ
王城に出入りする仕立屋。
見た目は30代半ば。
身長175cm。
細身。
黒髪に銀糸を混ぜたような髪飾りをつける。
性別を感じさせにくい柔らかな雰囲気を持つ。
吸血鬼貴族たちの衣装を扱う仕立屋。
人間だが、吸血鬼社会の礼装や噛み跡の隠し方、血の儀礼用衣装に詳しい。
クラウディオの衣装も担当したことがある。
クラウディオの美しさを芸術品として見ているが、近づきすぎれば喰われると分かっている。
そのため、距離感が非常に上手い。
ルストに対しては、クラウディオの衣装が乱される存在として少し嫌味を言う。
ただしルストの圧には逆らわない。
賢い。命は大事。人類、ここは見習って。
口調は柔らかく皮肉混じり。




